県長浜土木事務所は、県と民間企業が連携し行う初の治水対策となる長浜市の三菱ケミカル鰹蒲Lグラウンドにおける「米川」の遊水地整備事業について、事業費や効率的な工法を検討するためこのほど21年(令和3年)4月までの期間で予備設計を委託した。工法の決定が順調にいけば21年度(令和3年度)にも詳細設計へと進め、早期の着工を目指していきたい考えだ。
事業は、県長浜土木事務所が中心となり推進。米川の治水に係る地元要望などを受け、近くの三菱ケミカル物流樺キ浜支店(長浜市一宮町)が所有し近隣住民などに開放している多目的グラウンド(同)を掘り下げ、遊水地として利用する案を申し入れたところ、地域の安全に資する事業に同社が賛同し快諾。滋賀県と三菱ケミカル且賀事業所、そして長浜市の3者が協力・連携してこれを推進するための協定を3月30日付で締結した。
連携で整備するのは、三菱ケミカル鰍ェ所有の多目的グラウンド約1万平方b。現在、グラウンドの他、多目的広場、緑地、地震時の避難場所等として利用されている。計画では、中心部分を遊水地(10年に一回程度の降雨に対応・貯留量約6300d)として使用できるよう1b程度掘り下げ、併せて米川に隣接する東側に流入口・排水口、そして周辺に維持管理用道路、階段、樹木保存―などを施す。
これにより多目的グラウンドの形状は一部変更されるが平時は今まで同様、グラウンド・多目的広場等として活用を図り、万が一に備えるものとする。併せて掘り下げによって生じる土砂の処理は、地主である三菱ケミカルの意向をふまえた上で、他の公共工事への流用なども検討する。
協定を受けて県長浜土木事務所では今年度、予備設計を建設技術研究所(滋賀事務所・大津市)、測量業務をジオ・クリニック(長浜市)に委託。なお、概略設計は中央コンサルタンツ(本社・名古屋市西区、滋賀事務所・大津市)が担当した。
提供:滋賀産業新聞