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建通新聞社(中部)
2020/10/28

【三重】県土整備部など9部 21年度当初予算「基本的な考え方」を説明

 三重県は、10月22日に行われた県議会予算決算常任委員会で、県土整備部など9部が2021年度当初予算案編成に向けた「基本的な考え方」を説明した。予算調製方針に沿って着手している予算編成について、各部局が、20年度の現状・課題などとともに、21年度予算に求める主要事業を示した。県土整備部関係では、国道42号熊野尾鷲道路U期などの供用や、鈴鹿亀山道路などの事業化に向けた調査など、警察本部では、大台警察署の建て替えの設計、朝日町への交番建設などを基本的な考え方として示した。
 県土整備部が取り上げた主な事業の内容を見ると、「災害に強い県土づくり」の施策では、河川について、橋梁・堰などの河川横断構造物を重点的に改築することで治水安全度の向上を図る。鳥羽河内ダムについて、本体工事の着手に向けた工事用道路の整備を進める。簡易型河川監視カメラの情報発信、ダム施設の遠隔操作の検討の着手などD](デジタルトランスフォーメーション)の推進に取り組む。河川堆積土砂および河川内の樹木については、緊急浚渫推進事業を最大限活用して土砂撤去・伐採を進める。緊急輸送道路などの橋梁耐震化では、21年度の進捗率の目標を88%(20年度目標は86%)とし、引き続き、耐震化や法面の防災対策の充実・強化に取り組む。河川・海岸堤防や河口部の大型水門の耐震対策とともに、宮川ダムの洪水吐けゲートの耐震対策について21年度の完成を目指す。
 「道路網・港湾整備の推進」の施策では、道路の新規供用延長(累計)の目標を20`(同7・4`)とし、「三重とこわか国体・大会」の会場へのアクセスルートとなる国道42号熊野尾鷲道路〈U期〉(延長5・4`)、県道館町通線〈御側橋〉、県道上野大山田線などの供用を目指す。道路利用状況などの収集把握のために、AI(人工知能)カメラなどの設置とともに、道の駅などへのデジタルサイネージの整備を検討する。津駅周辺の活性化や防災などさまざまな視点から、駅周辺の道路空間の活用に関する基本的な構想を取りまとめ、整備方針などの検討を津市と協働で進める。道路ネットワーク機能の強化を目指して、鈴鹿亀山道路、名神名阪連絡道路の事業化に向けて、国などと連携して調査・検討を進める。県管理道路の整備で、21年度に、県道津久居線(久居工区)、県道伊勢大宮線(野添工区)などの供用を目指す。港湾施設では、津松阪港(大口地区、新堀地区)、宇治山田港で老朽化対策、長島港で江ノ浦大橋の耐震対策を進める。
 警察本部は、警察署の建て替えで、築後40年以上経過している警察署として、古い順に大台、尾鷲、桑名、伊賀、熊野、紀宝、伊勢の7署があることを示し、21年度に大台署の設計を行う予定であること、続いて、尾鷲、桑名署が課題になっていることを説明した。交番・駐在所の整備では、21年度も引き続き整備を要望し、その中で朝日町内への交番設置を考えていることを示した。
 戦略企画部では、県の大学収容力指数が他府県と比べて低く、大学進学者数のうち県内大学への入学は約2割で、就職時の県内定着も5割に満たないことから、大学の選択肢の拡大に向けて、県立大学設置の是非について検討するものとした。

提供:建通新聞社