東京都中央卸売市場は、新宿区内にある淀橋市場の再整備に向け、卸売場の拡張や総合事務所棟の建て替えなどの実現性を調査する。現在の淀橋市場は取扱数量に対して敷地が狭あいで場内や周辺道路が混雑し、施設の老化も進んでいる。一方で、敷地が限られており、施設改修が困難な状態にある。待機駐車場を活用して卸売施設を新設するなど、実現可能な施設案をまとめる。
淀橋市場(新宿区北新宿4ノ2ノ1、敷地面積2万3583平方b)は、1939年に開設し、現在青果物を取り扱っている。敷地内に老朽化・狭あい化した施設が立ち並び、施設の再整備や場内動線の見直しが求められている。
都が策定した10次卸売市場整備計画(計画期間2016〜20年度)では、「狭あいな市場の効率的な活用を図るとともに、実需者ニーズに配慮した施設整備を検討する」との方向を打ち出し、再整備の検討を進めてきた。
20年度は、11月11日に希望制指名競争入札で調査業務を委託し、卸売場の拡張や総合事務所棟の建て替えなど、想定される施設拡張の実現性を確認する。
検討の条件として、卸売場は現状の配置を維持。その上で、待機駐車場に卸売場施設(1・2階)と事務室(3・4・5階)、正門前に卸売場施設(1・2・3階)などを整備する。この施設の供用開始後に、総合事務所棟を撤去する考え。総合事務所棟を撤去した後の空き地では、加工・パッケージ機能施設などの整備の有効性を検討する。
新設する施設には、垂直・水平搬送機などの先端技術の導入可能性も探る。この他、▽野菜くずによるバイオガス発電の導入や発泡容器の高度再利用化▽近隣住民向けの売り場や近隣住民が集うためのスペースの対応▽災害時の拠点機能の強化―などの導入についても検討する。
施工期間と施工エリア、施工費用、施設整備効果を比較し、施設規模を具体化。再整備の方向性を固めていく。
提供:建通新聞社