日本工業経済新聞社(群馬)
2020/10/27
【群馬】吉岡町は渋川広域最終処分場選定委員会を設置
渋川地区広域市町村圏振興整備組合を構成する吉岡町は、ごみ処理の新たな最終処分場建設候補地選定に向け動き出す。選定委員会を11月中に立ち上げ、作業に取り掛かる考え。計画規模は渋川市内で稼働中のエコ小野上処分場と同程度が目安。候補地を絞り込み、2021年度中には組合側へ候補地説明を行う予定となる。処分場は組合構成員の渋川市、吉岡町、榛東村とで持ち回りで設置することになっている。新処分場は30年1月の供用開始を目指し、各種調整、設計、工事などが組合を中心に進められる。
同町は渋川市・榛東村とともに渋川地区広域市町村圏振興整備組合を組織しており、ごみ処理事業などを共同で行っている。渋川市で稼働中の最終処分場渋川地区広域圏清掃センターエコ小野上処分場の埋め立ては、29年に満了を迎えるため、次期整備へ候補地選定を行う。新処分場はエコ小野上処分場と同程度の規模を想定しているものの供用開始は10年後。今後のごみ排出量などで規模は左右されることになる。
渋川広域最終処分場選定委員会は有識者・関係団体の代表者など12人以内としており、広く町民からの意見も取り入れるため現在、町民2人を公募している。
9月補正予算で最終処分場候補地選定業務に229万8000円を計上、地域計画(太田市)に随意契約で委託した。アンケート調査などの支援業務を行う。
現在のエコ小野上処分場は、主に焼却により発生した灰などを埋め立てている。周辺環境への負担軽減を考慮したクローズド型。浸出水は処理を施し、貯留施設内の散水に循環再利用し、河川への放流は行っていない。総面積2万2080u、埋め立て面積6730u、埋め立て容量7万立方m。埋め立て構造は準好気性埋立構造、埋め立て方式はサンドイッチ方式。浸出水処理施設の処理方式はカルシウム処理+生物処理+凝集膜分離+活性炭吸着+脱塩処理+消毒。構造はS造平屋、基礎構造は地盤改良併用直接基礎、外壁は断熱複合パネル横張、屋根はガリバリウム鋼板折板。施工は瑞穂建設(渋川市)・ホクブ(渋川市)・石関工務店(渋川市)の3者JVが担当した。落札金額は29億4700万円。12年11月に着工し、14年12月に完成した。発注方式は条件付き一般競争入札で自主結成方式の3者JVとし、渋川市、吉岡町、榛東村、沼田市、吾妻郡、利根郡に本社を有する土木と建築のA等級で、総合評定値850点以上、平均完成工事高が10億円以上などを条件としていた。設計業務は日本環境工学設計事務所(東京都千代田区)が手掛けた。
また周辺地域整備事業として道路の新設や老人ホーム、住民センターの建設などを行っており、新処分場建設でも地元への還元施設整備も考えられるところ。