匝瑳市都市整備課は「匝瑳市都市計画マスタープラン(改定案)」をまとめた。目標年次を2031年度に設定。銚子連絡道路IC予定地周辺の土地利用の検討や中心市街地の活性化、地域資源を生かした産業振興を図り、道路網の整備による地域間ネットワークの形成、長期間未整備の都市計画道路の見直し、災害に強いまちづくりなどを進め、集約型都市構造を構築する。改定案について、26日から11月9日の期間で意見募集を実施する。
都市計画マスタープランは全体構想、地域別構想、実現化方策で構成。全体構想では都市づくりの目標、将来都市構造、分野別基本方針を定める。将来都市構造では、集約型都市構造の構築等に向けて▽市街地居住ゾーン▽里山・歴史交流ゾーン▽田園生産ゾーン――の3つのゾーンと、「都市交流拠点」「観光・交流拠点」「産業拠点」「医療拠点」の4つの拠点、さらに都市活動軸、地域連携軸、海洋リゾート軸の3つの軸をそれぞれ位置付ける。
「市街地居住ソーン」は、国道126号沿線に広がった用途地域内およびその周辺、野栄総合支所周辺、海岸沿いの各住宅地を位置付け、良好な市街地の形成を図る。飯高寺(飯高檀林跡)や飯高神社など歴史的文化遺産が多く点在する北部の丘陵地を「里山・歴史交流ゾーン」として位置づけ、人々の安らぎの場、交流の場としての活用を図る。九十九里平野に広がる田園と農村集落は「田園生産ゾーン」として位置付け、良好な農業生産環境の整備を図ることとした。
拠点形成では、JR八日市場駅から市役所周辺地区、JR飯倉駅周辺地区、野栄総合支所周辺地区の公共施設や商業施設等の都市機能が集積する地域を「都市交流拠点」として位置付け、商業・業務機能と交流機能の充実を図。そうさ観光物産センター匝りの里、九十九里海岸沿線、ふれあいパーク八日市場、飯高寺(飯高檀林)周辺を核とした地域を「観光・交流拠点」として位置付け、観光ネットワーク機能の充実を図る。また、みどり平工業団地を中心に「産業拠点」として位置付け、銚子連絡道路等の整備による交通機能の優位性を活かした良好な工業環境の整備・保全に努めることとした。
土地利用では、銚子連絡道路の整備に伴い野栄バイパスとの交差付近に計画されている(仮称)八日市場IC予定地周辺等について、広域幹線道路の整備による利便性の向上等を活かし、地域の活性化につながる産業系土地利用の可能性について検討する。
一方、地域別構想は、北部地域(匝瑳、豊和、吉田、飯高、椿海地区)、中部地域(中央、豊栄地区)、南部地域(須賀、共興、平和、野田、栄地区)の3つの地域に区分し、地域づくりの目標とまちづくり方針などを設定する。
北部地域は、谷津田や里山の豊かな自然資源や景観の保全・活用、自転車で巡る歩行者・自転車ネットワークの形成、ふれあいパーク八日市場における地域活力の向上などを進める。
中部地域は、(仮称)八日市場IC予定地周辺等における産業系土地利用の検討、JR八日市場駅から市役所周辺地区での都市交流拠点の形成、都市計画道路の整備と長期未整備となっている路線の見直し等を実施。
南部地域は、みどり工業団地の産業拠点の維持・向上、野栄総合支所周辺での地域交流の活性化と農業生産活用の発展や地域力向上、避難場所の防災機能の向上等による災害に強いまちづくり、サイクリングロードを活用した観光拠点の充実と周辺自治体との連携などを進める。