岐阜県は、投資的経費を圧縮するとした2021年度当初予算編成方針を明らかにした。新型コロナウイルス感染症や7月豪雨で、観光業、飲食・サービス業、地場産業を中心とした製造業などに大きな影響があったため、本年度の税収が現時点で300億円程度の減収となる見通しだ。
これを踏まえ、県費1000万円以上の投資的経費に関しては、可能な限り所要額を圧縮し要求するとともに、新たな施設整備に着手する場合は、事業規模やランニングコストなどを踏まえ、必要性を精査して要求することとした。
また公共施設の再整備と維持保全予算については、本年度に更新した「岐阜県県有建物長寿命化計画(個別施設計画)」に基づいて各部局が8月に示した21年度に必要とする経費を踏まえ要求する。
ただし昨年度の長寿命化計画の額を超える場合は、県全体の優先度を考慮し年度間の平準化を図ることも想定している。
さらに21年度は、厳しい財政状況になることを想定し、事業計画の先送りを検討する場合もあるとした。
学校建設事業として長寿命化計画に基づいた再整備や維持保全に掛かる費用については、学校長寿命化として別途予算額を要求する。学校建設事業以外の県有施設の長寿命化に関する事業についても別途要求予算額を示す方針。
県の財政状況は、度重なる災害対応の影響で県債残高や将来負担比率は増加する傾向となっている。これに加えて新庁舎建設もあり、21年度の県債発行額は大幅に増える見通しだ。歳出面では、社会資本の老朽化や社会保障関係経費の自然増、来年度から増加に転ずる公債費に対応する必要がある他、20年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策が大きな割合を占めることになりそうだ。
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建通新聞社