高知県土木部は、鏡ダム(高知市鏡今井)と永瀬ダム(香美市香北町永瀬)の再生計画検討に着手した。年度末までに治水・利水面の課題を洗い出し、容量再編可能性や恒久的な堆砂対策についての検討を進める。これらに基づき2021年度から具体的な検討を進め、22年度末までに再生計画を策定。23年度以降に必要なハード整備やソフト対策を進める。
鏡ダムは1967年に完成した重力式コンクリートダムで、堤高47b、総貯水容量938万立方b、有効貯水容量836万立方b。洪水調節、流水の正常な機能維持、水道用水、工業用水、発電に活用されている。今回の業務では、治水上の課題を分析し、ダム放流量・洪水調節容量、洪水調節操作の観点や洪水調節容量の変更可能性などの検討を実施、ダム放流施設や既存堤体の改良などによる治水能力向上策の概略検討を行う。また利水上の課題も分析し、利水容量の再編可能性や操作運用の変更を検討する。恒久堆砂対策では、他の事例を参考に鏡ダムへの適用可能性や対策案を検討する。業務は八千代エンジニヤリング四国統括事務所(高松市)が担当。
永瀬ダムは1957年に完成した重力式コンクリートダムで、堤高87b、総貯水容量5880万立方b、有効貯水容量4530万立方b。洪水調節、流水の正常な機能維持、発電に活用されている。
今回の業務では、治水能力増強に向けた概算費用、概算工期、対策効果の大小などを比較し複数案の中から最適な案を選定する。また利水上の課題も分析し、利水容量の再編可能性や操作運用の変更を検討する。恒久堆砂対策では、堤体の放流能力を増強した場合の湖内土砂動態についてシミュレーションを行う他、現在の傾向に基づいた恒久的な堆砂対策サイクルを作成し、年間の堆砂対策目標量を設定。その目標量について、国内での代表的な堆砂対策工法による概算費用を算出する。業務は建設技術研究所高知事務所(高知市)が担当。
提供:建通新聞社