全国建設業協会(奥村太加典会長)の2020年度四国ブロック会議として、四国建設業協会連合会(四建連、会長・森田紘一香川県建設業協会会長)と国土交通省などとの意見交換会が10月13日、高松市内で開かれた。自然災害の多い四国への重点的な予算配分や、四国全土での防災・減災対策の推進を求めた四建連に対し、国交省は防災・減災・国土強靱(きょうじん)化に関する予算の重要性を認め、「中長期的な視野に立ち、これまでの実績を上回る必要かつ十分な規模の予算が確保できるよう取り組む」との意向を示した。
四建連はまず、公共事業予算の確保と四国への重点的な配分を要請。防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の終了後も、「さらに充実した対策を強力に推進すべき」と強調した。
国交省側は「激甚化、頻発化する自然災害に対応するためには抜本的・総合的な防災・減災対策が必要。インフラの予防保全への本格的な転換も急務だ」と答え、「中長期的な視野に立ち、これまでの実績を上回る必要かつ十分な予算規模が確保できるよう取り組む」と述べた。
四建連は働き方改革と担い手の確保・育成のためには、新担い手3法を全ての発注者に浸透させることが必要だとし、「適正な工期設定、施工時期の平準化」を自治体に徹底するよう求めた。
国交省側は「総務省と連名で市町村に入札契約適正化のための取り組みを要請している」と説明。全国統一指標となる地域平準化率を設定し、それを公表する“見える化”も進めており「地域の実情を把握しながら改善に努める」との考えを示した。
また、高知県建設業協会は担い手確保に関して「今年は地元建設業への就業希望者が増えたと感じている」と報告。進路指導の先生の話として「コロナウイルス感染症拡大の中で地元志向が強まっている」と紹介した上で、「経済活動が停滞する中、建設業は細心の注意を払いつつ事業を継続したことで、コロナ禍でも影響が少なく景気の下支えをしていることが評価されたのではないか」との見解を示した。これに対し国交省側は「そのような声が聞けるのはありがたいこと。建設業の魅力の一つとして発信することで業界全体としての人材確保につなげていきたい」と答えた。
香川県建設業協会も担い手確保に関連し「建設業に入った若い人を定着させることも重要だ」と指摘。魅力のある現場づくりのため「発注者にも現場で積極的に声を掛けてもらい、時にはほめてもらうなど技術者を一緒に育てるという観点を持ってほしい」と訴えた。国交省側は「遠隔臨場など新たな技術の導入の一方で、現場での受発注者のコミュニケーションは重要だと考えている。リモートと実際の対話の“ハイブリッド”で現場の魅力づくりをしたい」と応じた。
提供:建通新聞社