老朽化により現在、休館中の県立琵琶湖文化館(大津市打出浜1―1)について、三日月県知事はこのほど、その後継施設の候補地を「大津港付近」で検討していることを明らかにした。同施設の具体的な候補地のひとつとして検討していく。所管の県文化財保護課では、琵琶湖文化館の後継施設基本計画検討・調査を丹青社(東京都港区)に委託・着手しており、21年2月末にも基本計画案の内容を取りまとめる。
作成する基本計画の内容については、▽施設整備計画(立地、施設規模、諸室概要等)▽運営計画(組織体制、協働・他館との連携の仕組み等)▽整備に向けた諸事項(事業スキーム(PPP/PFI手法の簡易検討を含む)、概算事業費、来館者目標、スケジュール等)▽文化財の保存・継承・活用・発信、美の滋賀の発信および琵琶湖文化館の現状と課題▽後継施設の役割と目指す姿▽活動方針・活動計画(展示、収蔵保管、調査研究、情報発信・交流)。
県が提示する用地への建築実現可能性についての検証、建築に付帯する主な設備(内容・概算費用)の検討に着手し、効果的・効率的かつ早期の整備が可能な事業スキームや工法についての調査・提案、活動計画として、琵琶湖文化館の収蔵品や最近の他館での展示手法等の動向を踏まえた、年間のモデル展示計画の作成支援、全国の博物館等の特徴的な活動内容等の情報の調査・分析。また、来館者予測等については、想定来館者数の算出および全国の事例等を踏まえた効果的な来館促進策等を提示する。
県立琵琶湖文化館は、大津市打出浜1―1に位置し、博物館、近代美術館、展望閣、淡水魚水族館などを有する滋賀県初の総合博物館として1961年に開館したが、建物の老朽化、入場者の減少等を理由に08年3月で休館。19年度策定の「琵琶湖文化館機能継承方針」により、近世以前の美術工芸品を中心に、県内の文化財の保存・活用に最適な環境や機能を提供できる独立性の高い施設と、専門性の高い組織・体制を備えた「琵琶湖文化館後継施設」を整備することを決定した。
提供:滋賀産業新聞