環境省は、京都市上京区の京都御苑の近衞邸跡庭園の再整備を計画している。近く設計などに着手する。
近衞家は五摂家の一つ。京都御苑の北部エリアにあり、今出川御門の南側に位置する旧近衞邸跡の庭園遺構は、江戸時代初期〜中期に描かれた絵図には存在が確認され、屋敷その他主要建物の東側に面して池泉(近衞池)が配置された形態の庭園であったと考えられている。往時の旧近衞邸の様子をうかがい知ることができる貴重な庭園遺構。
近衞池のほとりは昔から糸桜の名所。現在は、井水ポンプの故障により近衞池の水が枯れ、庭園遺構内の庭木や下草等の手入れが行き届かず、往時の庭園の魅力を十分に伝えることが難しい状態。
こうした状況を踏まえ、国内外の観光客や市民にとっての京都御苑の魅力を更に高めることを目的に、庭園遺構の再整備に向け現況把握と設計に乗り出す。
環境省自然環境局京都御苑管理事務所は16日、令和2年度京都御苑近衞邸跡庭園整備基本実施設計業務を簡易公募型競争入札方式(総合評価落札方式)で公告した。11月6日に開札し、担当業者を決める。履行期間は令和3年3月26日まで。
対象は京都市上京区京都御苑3(京都御苑内)の京都御苑近衞邸跡庭園で面積は約4800u。
設計にあたり、学識経験者等にヒアリングを行い、計画に反映させる。