日本工業経済新聞社(群馬)
2020/10/16
【群馬】県企業局発電課が3発電所の発注計画示す
県企業局発電課が計画している霧積・四万・白沢3水力発電所整備が動き出す。霧積発電所については、設計・施工一括の公募型プロポーザルで発注する方針を固めた。年度内の契約を目指すことから、年末ごろの公告が見込まれる。2024年度までの債務負担行為を含め7億3590万円の事業費を確保している。四万発電所でも改修工事2件を年度末に公告する。白沢発電所は改修設計を随意契約で北電技術コンサルタント(富山県富山市)に委託、22年度の着工を目指す。
霧積発電所は、霧積ダム(安中市)へ新設する。水車は横軸フランシス、発電機を三相交流発電機で整備。発電規模は最大出力372kW、年間発生電力量184万4000kWhを見込む。既存の利水放流管から水圧鉄管で発電所に水を引き込み、発電する。鉄管の延長や口径については設計で詰める。設計・施工を44カ月で進め24年度中の完成、運転開始を目指す。
四万発電所(中之条町)は年度末に、四万取水堰改修と発電機の水車更新を予定。四万取水堰はコンクリート部のひび割れ部分について、削り出しと打ち直しにより改修する。水車発電機は既存と同じ縦軸フランシス水車で更新。最大出力は4970kWとする。既存水車の撤去から新しい水車の制作・据え付けを一括する。
さらに21年度は水圧鉄管約200mの更新とゲート3門の更新を発注。導水路と沈砂池、水槽の改修については、他の工事の状況に合わせて発注時期を判断する見通しで、早ければ21年度着手となる。
白沢発電所(沼田市)は9月補正予算で設備更新に向けた設計費と用地測量委託費に、21年度の債務負担行為と合わせて1億5400万円を設定。内訳はそれぞれ7700万円となる。設計は19年度に基礎調査を担当した同社へ随意契約、用地測量は月内の指名通知を予定している。
工事は22年夏ごろの着手を予定。26年の完成を目指す。改修は取水設備と導水路トンネル、放水設備を一部改修、水圧鉄管と水車発電機などの電気設備は更新する見通し。同発電所の最大出力は2万6600kW。発電規模は現在と同程度だが、発電効率の上昇により、年間発電量の増加が見込まれる。