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建設経済新聞社
2020/10/16

【京都】建築物耐震改修促進計画中間見直し 住宅の目標値95%継続し耐震化促進

 京都府は15日、第1回建築物耐震改修促進計画策定有識者会議を開き、同計画の中間見直しの検討を開始した。
 有識者会議の委員構成は、西山峰弘京都大学教授ら学識経験者3人、能戸謙介一般社団法人京都府建築士会理事、中森康正一般社団法人京都府建築士事務所協会(京都府建築物耐震診断改修計画等判定委員会専門委員会委員長)の実務経験者(建築関係団体)2人、和田豊一京都府建設交通部建築指導課長、川口浩京都市都市計画局建築指導部建築安全推進課長、塩谷知子宇治市都市整備部建築指導課長の行政3人。
 現行計画は平成28年度に策定。令和7年度までの計画期間10年間の概ね半分が経過し、また耐震化の現状などを把握するための新しい統計データが公表されたことを受け、見直す。
 見直しの方向性として、第1回会議では、住宅耐震化率の目標検証及び妥当性確認(▽平成30年住宅・土地統計調査から耐震化率の現状算出及び将来統計▽目標達成の可否を検証→目標及び施策の妥当性を確認)、沿道建築物の耐震診断結果の報告期限の延長の2点について検討した。
 平成30年住宅・土地統計調査から算出した平成30年10月1日時点の住宅の耐震化率は86・8%(耐震化住宅数100万6069/住宅総数115万8900)。
 過去の耐震化率の近似曲線から算出し、令和2年度の耐震化率を88・1%(耐震化住宅数101万8058/住宅総数115万5090)と推計。平均で年1%ずつ上昇すると仮定し、現行計画の目標値95%(令和7年度)について、到達できる可能性のある目標値とみて、目標値は現行計画のままとし、耐震化促進に努める考えを示した。
 目標達成に向けた課題として、京都市より南部に位置する市町村(京都市含む)と、京都市より北部に位置する市町とで約3・5倍の差があること、また用途地域を指定している都市部の市町、用途地域を指定していない郡部の市町村の差のほか、高齢者世帯のみ住宅の耐震化を挙げた。
 沿道建築物の耐震診断結果の報告期限が令和3年12月31日となっているが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、1年程度の報告期限延長を検討していることを報告した。
 次回、第2回会議では、特定建築物(多数の人が利用する1000u以上の建築物)の耐震化率の現況及び目標設定について検討する。
 見直しスケジュールによると、11月に第2回会議を開き、12月議会に中間案を報告した上で、12月から令和3年1月にかけてパブリックコメントを実施する。その後、令和3年1月の第3回会議で改定案を固め、令和3年2月議会に最終案を報告、3月に改定する予定。