前田電気の前田宏枝さんが、20年度青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰(建設ジュニアマスター)に輝いた。高い技術と技能が評価され、今後の更なる活躍を期待されての受賞。
前田さんは今回の栄誉について「周りの方々の支えがあってこそ」と感謝の言葉を述べる。
日々の仕事の中で、お客様からの要望には、まず「はい」と答える姿勢を心がけている。難しい依頼の場合でも、最初から無理と決めつけるのではなくて、まずは話し合い、解決策を探る。「せっかく頼りにされているのだから期待に応えたいし、例えうまくいかなくても、その経験が必ず今後に生かされる」とその理由を話し、「うまくいった時は喜びもひとしおで、達成感も大きい」とやりがいにも繋げる。
これまでを振り返り、大きな転機となったのは、16年に参加した全日本電気工事業工業組合連合会主催の、第2回電気工事技能競技全国大会だという。この大会では、女性部門が新設され「全国で頑張る女性技術者と出会い、話をするうちに、自分では気付かなかった悩みや思いを知ることができた」と振り返る。その経験を通し「自分の中での『当たり前』に疑問を持つことで、成長につながった」と実感を込める。また、女性技術者の活躍をいっそう推進するため、来年5月には、福井県電気工事工業組合の女性部会も、発起代表人として立ち上げる予定だ。
今後は自身の成長に加え、人材育成にも注力したい考え。副社長を勤める自社内にも育成施設を設けた。また、職人と若手のパイプ役にも意欲的で「若手の前向きな意見をどんどん取り入れたい」と力を込める。
座右の銘は「報恩謝徳」。これまでの現場で知り合ったすべての人とのつながりが、何よりの財産であるとし「ここまで成長させてもらったみなさんのためにも、会社、業界の発展へ尽力したい」と決意を新たにした。