東京都住宅供給公社は、施工能力審査型の総合評価方式を試行する。比較的小規模な工事を対象に、過去の工事成績や企業の信頼性・社会性を評価して受注者を決める。試行案件は、原則として予定価格が1000万円以上の工事案件から選ぶ。2020年度は「コーシャハイム小日向」の外壁改修工事など4件への適用を予定している。
施工能力審査型では、技術的工夫の余地が小さく、技術提案を求めて評価する
必要がない工事を発注する際に、企業の施工実績や工事成績、表彰、技術者の能力、施工計画などを審査・評価することにより、発注者の示す仕様に基づいて適切で確実な施工を行う能力を有しているかを確認するもの。
加えて、地域精通度や地域貢献度などを考慮し、その地域で円滑に工事を実施する能力があるかどうかを評価することで、確実に施工できる企業を選ぶことを目指している。
住宅供給公社の試行では、技術点を「企業の施工能力」と「企業信頼性・社会性」から算定する。
「企業の施工能力」は18点満点のうち、工事成績表定点に13点、配置予定技術者の資格点に3点、配置予定技術者の実績点に2点を配分する。
一方で「企業の信頼性・社会性」は▽災害協定締結の実績点▽東京都との災害時における都営住宅などの応急修理に関する協定締結の実績点▽単価契約工事または小口・緊急修繕工事店の実績点▽地域における実績点(発注工事の施工場所の属する自治体で行った工事で工事成績評定通知書の総評定点が65点以上の実績)―を各1点で評価し、全てを満たす場合でも加算点の最高は3点とする。
20年度の対象案件は、▽コーシャハイム小日向外壁改修、鉄部塗装及びその他工事▽トミンハイム鑓水道路、駐車場改修及び敷地整備工事▽コーシャハイム坂下(A〜E棟)ほか1団地換気設備改修工事▽小金井本町住宅(5―1〜5―4、6―1〜6―6、8―1〜8―5号棟)共用灯、屋外灯及び駐車場灯改修工事―の4件。いずれも希望制指名競争入札。
提供:建通新聞社