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建通新聞社(東京)
2020/10/15

【東京】都 葛西臨海水族園、PFIと指定管理を併用

 東京都建設局は「葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画」を公表した。施設規模は、既存施設を上回る約2万2500平方b。施設整備費は約244億〜276億円と試算し、今後も精査する。事業手法は、建物の整備と維持管理にはPFI―BTO方式を、飼育展示や調査・研究などの業務には指定管理者制度を採用。2020〜21年度に事業者の選定手続きを進め、22〜26年度に設計・工事、開園準備を実施。26年度中の開園を目指す。
 葛西臨海水族園(江戸川区臨海町6)は、1989年に開園した。建物や設備の老朽化が進んでいるため、新たな施設を建設して既存施設の水族園機能を移す。既存施設の活用については、移設後に施設の状態を調べた上で在り方を検討する。
 新たな施設の規模は約2万2500平方b。既存の約1万9400平方bから約3000平方b拡大する。
 展示や空間演出にはICTなどの最新技術を活用。施設の換気機能を強化するなど、さまざまな危機管理に対応できるようにする。
 事業費の見込みは、類似水族園の実績や見積もりなどから試算した結果、税込みで約244億〜276億円になるとした。維持管理運営費は、施設の規模増によるスケールメリットを生かして効率化を図り、年間約18億円と試算。大規模修繕費に関しては、長期修繕計画を立案して予防保全型に取り組むことを前提に、20年間で約111億円を充てる計画。入園料収入は現行の700円とした場合に6億円、2000円に値上げした場合に18億円を見込む。
 施設整備と維持・管理運営体制は官民の役割分担を構築。都立の水族園としての公的使命を果たしつつ、民間のノウハウを生かすことが可能な手法として、PFI―BTO方式と指定管理者制度の併用を決定。PFI―BTO方式で設計・施工・管理を一括発注することなどにより、3・1%のコスト削減効果を試算している。
 PFI―BTO方式を活用した施設整備に向けた想定スケジュールは、事業者ヒアリングなどを経て今後さらに具体化する。

提供:建通新聞社