日本工業経済新聞社(群馬)
2020/10/14
【群馬】太田市は、新田クリーンセンターの改修工を最短21年度発注
太田市は、し尿処理施設の新田クリーンセンター(新田下田中町1342−1)をし渣除去と希釈施設へ改修するため、2カ年での工事を計画。最短で2021年度の一部着工を見込んでいる。改修時期は、汚泥を受け入れているいずみ団地コミュニティプラントの県流域下水道接続による廃止時期に左右される。当初予算に2カ年継続費2億3000万円を組んだが、同プラントの不明水対応で管更生が必要となり廃止時期が変更、着工時期も先送りとなった。なお、管更生は21年度に本格発注、22年度早々の完了を目指す。
既設設備は施設の完成以来、大規模な改修は実施しておらず、老朽化している。維持管理コストの削減と施設延命化などを目的に、し尿処理をやめ、し渣除去と希釈施設へと改修する。浄化槽汚泥とフィルターでごみを取り除いたし尿を混合し、井戸水で25倍に希釈。希釈水を県流域下水道に放流し、県利根備前島水質浄化センター(太田市備前島町42−1)で処理する。
機能改編に伴い、使用停止となる処理槽4基のうち1基は希釈調整槽に改修。1基を希釈水の一時貯留槽へ転用する。残る2基はそのまま残す。
合わせて、希釈水の確保へ井戸を1カ所掘削。敷地内に設置されている既設井戸1カ所は予備とする。
井戸の掘削など処理設備に影響を与えない工事は、業務を継続しながらの施工を予定している。設備改修工事の際は、し尿と汚泥の受け入れは一時停止し第一クリーンセンター(古戸町1139)などに割り振る。実施設計はNJS(東京都港区)が作成した。
事業費として2カ年継続費2億3000万円を当初予算で組んでいるが、コミュニティプラントの廃止延期と合わせ改修工事も最短21年度着工としたため今後、財政担当課と対応を協議する。工事契約は議会案件となるが、議案上程時期は今後検討し決める。
同センターは新田西部工業団地の南側に位置。1991年に合併前の旧新田町が整備した。新田地区全域と藪塚の一部地区の、し尿や浄化槽汚泥を処理。また、隣接するいずみ団地コミュニティプラントから余剰汚泥が圧送管で送られている。処理能力は46/日。内訳は、し尿28/日、汚泥18/日。
面積約6820uの敷地に投入管理室1棟がある。施設はS造平屋、床面積1851・55uの規模。内部には運転管理室や汚泥の焼却炉などが入る。処理設備は地下に配置されている。焼却炉は、停止後も存置する。
いずみ団地コミュニティプラントは1979年に整備。老朽化に伴い、県の流域下水道(新田処理区)への接続と施設廃止を予定している。
流域下水道への接続管敷設を進めており、同管に希釈水の放流も計画。
団地からコミュニティプラントへ繋がる管渠で雨水などの流入が確認されている。流域下水道へ接続した場合、降雨時に希釈水の流入地点で下水があふれ出る可能性があることから、既存管の更生を行う。
廃止後のコミュニティプラントの解体撤去時期は未定だが、施設が老朽化しているため早期の対応が求められる。