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北陸工業新聞社
2020/10/14

【福井】坂川建設/田中啓之氏建設マスターに輝く/20年度優秀施工者国土交通大臣顕彰/与えられた仕事を無事故で完成/最近は若手の育成に情熱傾けて/座右の銘は「臨機応変」

 坂川建設(福井市宝永3丁目)の土木部第一部課長、田中啓之氏が、20年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰の建設マスターに輝いた。「まだ実感がないし、自分がそれほど秀でているとも思えない」と謙虚に、客観視もする。お世話になった方々に向けては、感謝しきりだ。
 入職25年を振り返り、「与えられた仕事を、無事故で完成させること」が使命。全身全霊をかけ、「健康と安全は、なにより優先」とも。日々の心掛けを強調する。
 氏は2年前、福井県の優秀建設現場施工者知事表彰を受賞した。以来、仕事にますます精励し、その継続が、今回の建設マスターに、つながった。
 とくに最近は、若手の指導・育成に、情熱を傾けている。「立場上と言うより、年齢が中間的な40歳代(下に20・30代、上に50代・60代)という点が大きい。若手と接して、世代間のギャップを感じることも」と打ち明ける。若手にどう仕事を伝え、理解してもらうか。もっか最大の関心事で、その課題に正面から向き合う。
 かつて一緒に働いた若手が(異動後に)、私の言った意味が分かったと聞いて、「多少なりとも、後進の役に立て、本当によかった」と笑顔で。先輩冥利に尽きるよう。
 改めて「土木の仕事は、経験が一番大切。後輩にも、まずは、やらせてみること」が肝心と指摘する。また、仕事の魅力は、「やはり、地図に残る仕事で、ものづくりを通し、お客様の思いや願いを実現することができること。見栄えから、機能性や価格面まで。自分の考えも設計にプラスできる。採用され、実際の構造物となって現れると、感無量」などと率直に言う。
 座右の銘は「臨機応変」。現場では、地山が弱かったり、水が湧き出てきたり、などなど。想定外も発生するが「そんな時も、決して慌てることなく、可能な限り早く、対処しないといけないので」と、日々実践の中のテーマでもある。

hokuriku