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建通新聞社(中部)
2020/10/14

【愛知】名駅・伏見・栄の緩和制度 10/19開始

 名古屋市住宅都市局は、名古屋駅東側と栄駅周辺部の指定容積率を1300%に緩和する名古屋駅・伏見・栄地区都市機能誘導制度≠フ運用を10月19日に開始する。これまでの容積率緩和制度では対象になりにくかった、比較的小規模な開発が対象となり、簡易な認定で手続きを迅速化しているのが特長だ。指定容積率1300%は政令市初で、東京駅周辺と同じ容積率となる。指定容積率1000%以上の区域面積は約152fあり、全国で最大だ。
 リニア時代のスーパー・メガリージョンのセンターにふさわしい都市機能の集積を誘導するため、都心部で指定容積率の引き上げと当該地区の地区計画を合わせて導入。誘導用途の整備や公共貢献の実施などの基準に適合する建築物を、認定により地区計画基準容積率(変更前の指定容積率)を基準に、指定容積率を上限に容積率を緩和する。対象は敷地面積500平方b以上で、都市再生特別地区といった大規模開発でなく、より少ない敷地面積で開発を行う場合に有用だ。比較的小規模な開発を対象にすることで、広く面的に都市機能を誘導するのが狙い。容積率緩和の認定申請は、建築確認の前に行う必要がある。
 都市再生特別地区などの既存制度は、今回創設制度の基準に適合する必要はない。各制度の基準に適合すれば、地区計画基準容積率を基準に従来通り容積率を緩和する。
 誘導用途は、▽文化交流施設▽国際・産業交流施設▽拠点的な医療施設▽まちの魅力や利便性の向上に資する施設▽その他―を設定。公共貢献は、▽環境(緑化、地域冷暖房など)▽防災(耐震性の低い建物の建て替えなど)▽交通(自転車駐車場の整備など)▽魅力(公開空地、歴史的建造物の保存・活用など)▽その他(敷地の集約化など)―の項目を設定している。
 緩和容積率は最大300%。緩和をする場合に、全ての建築物に▽敷地面積500平方b・建築面積200平方b以上▽誘導用途の整備(緩和容積率の3分の2以上)▽歩行者空間の整備▽景観計画への適合―を求める。住宅の制限は800%以上の区域内にかける。沿道のにぎわいを生み出す店舗の整備は、広小路通、錦通以南の大津通、久屋大通に面する敷地が対象。緑化率は、基準容積率の緩和度合いに応じて設定する。公共貢献と退避施設の整備は、緩和容積率100%超で求める。
 名古屋駅・伏見・栄都市機能誘導地区計画(錦二丁目七番地地区計画を含む)は、全体面積約350f。容積率1300%エリア約32f、1100%エリア約4f、1000%エリア約116fなど、全体をA〜H地区までの8地区に分けている。1000%以上の区域面積は約152fで、東京都(約143f)や大阪市(約130f)を上回り全国で最大になる。
 問い合わせ先は都市計画課地域計画係 電話052(972)2713。

提供:建通新聞社