横浜市は鶴見川横断人道橋の工事を2021年度にスタートさせたい考えだ。橋長113b、幅員4bの鋼橋とし、20年度内に詳細設計や河川管理者との協議を進めるなどして着工の前提を整えていく。また、鎌谷町地内道路(神奈川区〜保土ケ谷区)の線形を見直して21年度の着工、23年度の完成を目指す。区役所アクセス路や観光地などの無電柱化事業では、鶴見など4区と横浜駅東口の一部を21年度に着手する方針だ。10月8日の市会・決算第1特別委員会で、渡邊忠則氏、青木亮祐氏、福地茂氏(いずれも自由民主党・無所属の会)の質問に道路局の乾晋局長らが答えた。
鶴見川横断人道橋は橋の間隔が広い新鶴見橋〜末吉橋間で歩行者交通を確保するため計画。一般歩行者が利用できた水管橋(川崎市管理)の撤去などが理由で、水管橋のあった場所からおよそ100b上流の鶴見区矢向1丁目〜上末吉2丁目付近間に架設する。19年度に予備設計を行っていた。
検討状況などを問われた道路局の田中洋介建設部長は「橋長113b、幅員4bの鋼製の橋で、川の中に橋脚を2基設置する。今年度は詳細設計を実施するとともに、河川管理者の国土交通省と協議を進める」と答弁。近傍で進める末吉橋架え替え工事との同時施工の可否に関しては、乾局長が「川の中の桟橋を最小限にして、作業船で橋脚を1基ずつ施工するなどの工夫によって(工事の影響で)上昇する水位を基準値以下にできる」と対策を紹介した。
その上で、平原敏英副市長が「令和3(2021)年度の工事着手を目指して国費の確保などに精力的に取り組む」と語った。
具体的な構造形式は3径間連続鋼鈑桁。カナコン(横浜市瀬谷区)で詳細設計を実施している。
―線形見直し、21〜23年度に工事 鎌谷町地内道路―
鎌谷町地内道路は三ツ沢公園(神奈川区三ツ沢西町)の外周道路と保土ケ谷区鎌谷町を結ぶ「市道三ツ沢第391号線」で、細街路の多い鎌谷町の防災力向上などを目的に01年度に計画した。
当初は民間事業者が周辺の宅地造成のために設けて残置した仮橋(通行止め中)を本設橋に架け替えるなどして整備することを考えたものの、居住環境の悪化などを懸念する一部住民の反対を受けてストップしていた。
打開策をただされた田中建設部長は「ルートの修正や高さを下げるなど道路線形を見直した。鎌谷町から三ツ沢公園外周道路への一方通行とし、通り抜け車両を抑制する」と新たな整備内容を説明。乾局長は「現在、詳細設計や地質調査、測量調査を行っている。令和3(2021)年度中に工事に着手する予定」とし、平原副市長も「令和5(2023年度)の完成を目指したい」と続けた。
道路線形の見直しに伴い本設橋をやめて擁壁で対処するという。日本エンジニアリング(横浜市中区)が詳細設計を手掛けている。
―鶴見など4区と横浜駅東口で来年度着手 区役所アクセス路等無電柱化―
区役所アクセス路や観光地などの無電柱化は18年12月に策定した推進計画に基づく取り組み。近代設計(横浜営業所、横浜市中区)への業務委託を通じて実施計画を策定中だ。
進捗状況を問われた山浦善宏道路部長は、区役所アクセス路の無電柱化を「7区で進めている」、観光地などの無電柱化を「横浜駅周辺、関内地区、港の見える丘公園周辺で路線を絞り事業化の検討を進めている」と答弁。さらに、乾局長が21年度の着手箇所として▽鶴見区▽中区▽保土ケ谷区▽泉区▽横浜駅東口の新都市センター周辺―を挙げながら「順次事業を展開する」と述べた。
提供:建通新聞社