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日刊建設工業新聞
2020/10/13

【鳥取】申し出内容の一部認める/舩越建設の不服審査/工事成績上方修正へ

 県建設工事等入札契約審議会(会長・谷口朋代鳥取大学大学院工学研究科教授)は9日、舩越建設(大山町)が異議を唱えた工事成績に対し、申し立て内容の一部を認める県工事検査課の対応措置を妥当と判断した。これを受けて、同課は工事成績を上方修正して同社に通知する。
 工事は今年3月に完成した国道431号(弓ヶ浜工区)自転車道設置工事(安全施設3工区)。工事成績は81点だった。
 主な争点は三つ。検査課は防護柵支柱の施工について、出来形の項目「不可視部の出来形が、写真で管理できる」を該当なしと評価。これに対し、申立人は「支柱が路面下に深く根入れされていることが重要だ」と強調し、「根入れ寸法など写真を管理しており、チェック項目からの削除はおかしい」と訴えた。
 検査課は土木工事施工管理基準上、「防護柵の不可視部に出来形管理項目はない」と主張して訴えを棄却するよう求めた。
 一方、申立人は誤って施工した区画線の消去跡を「品質」で評価されたことについて、舗装面の品質に影響はなく「出来ばえ」で評価すべきと指摘。検査課側も同意して「出来ばえの外観で評価するのが適当」と認めた。
 考査項目「工事特性」では、申立人が「交通規制に大きく影響する工事」に該当するとして評価を求め、検査課は「片側通行規制も伴わず評価はできない」と説明した。
 委員が非公開で審議した結果、不可視部の写真については申し出を棄却し、区画線の消去跡を「出来ばえ」で再評価することは適当と判断。「工事特性」は棄却することが妥当と結論づけた。
 このため県は工事成績採点表の「品質」を修正し、新たな評定点83点を同社に通知する。
 このほか今回の工事では、工事成績の通知や説明請求書の回答が大幅に遅延していたほか、同じ工事内容の他工区の工事評定と一部異なった評価をしていることが判明し、検査課が「信用問題につながる」として陳謝した。

日刊建設工業新聞