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建通新聞社(神奈川)
2020/10/09

【神奈川】川崎市 武蔵小杉駅北口駅前まちづくり方針策定

 川崎市は、JR武蔵小杉駅北口駅前での土地利用や都市基盤など今後のまちづくりの方向性を定めた「小杉駅北口駅前まちづくり方針」を策定した。民間開発などの機会を捉え、駅前広場の再編整備と、駅前広場に面してにぎわい・交通機能などの多様な都市機能の誘導を一体的に行い、魅力ある駅前空間の創出を目指すとした。周辺道路の統合、民間整備の公開空地や立体制度などの活用により、駅前広場を適正な規模、配置で拡充。駅前広場の歩車分離を図るとともに、民間開発などと連携を図り、ペデストリアンデッキを整備し、バリアフリーに対応した安全で快適な歩行者動線の形成、駅北側の回遊性の向上を図るための歩行者ネットワークを強化する。
 小杉駅北口駅前では、駅前でありながら老朽化した建物、低未利用な土地が残っているとともに、駅前広場において歩行者の安全性やバリアフリーなどの面で多くの課題がみられるなど、広域拠点の駅前にふさわしいまちづくりが進んでいない。このため川崎市は、民間開発の機会を的確に捉えた広域拠点の駅前にふさわしい魅力あるまちづくりの実現に向け、土地利用や都市基盤など、今後のまちづくりの方向性を定めることにした。
 対象区域は、駅前広場の再編と駅前のまちづくりを、一体的かつ効果的に進めていくため、駅前広場および周辺の老朽化した建物や、低未利用な土地利用となっている、JR武蔵小杉駅前。方針では、@土地利用A都市基盤B防災C環境D景観―について基本的な考え方と取り組み方針を示した。例えば、「都市基盤」の観点からは、駅前広場を適正な規模、配置で拡充し、快適なバス等の乗降空間の整備や、歩行者の安全性を確保するとともに、駅北側の回遊性の向上を図るため歩行者ネットワークの強化を目指す。
 現状の駅前広場のスペースでは課題の改善を図ることが困難であることから、細分化していた周辺道路の統合や、民間整備の公開空地、立体制度などの活用により、駅前広場を適正な規模、配置で拡充し、駅や周辺建物との一体感に配慮した駅前広場空間を創出。駅前広場の拡充と併せて、歩行者空間の拡充を図り、バス、タクシーの快適な乗降空間や等々力緑地への臨時バス乗降空間の整備を行い、公共交通利用の利便性の向上を図るとともに、円滑なバスの運行確保に努める。
 また、民間開発と連携を図り、ペデストリアンデッキなどを整備し、地上レベル、ペデストリアンデッキレベルで、バリアフリーに対応した安全で快適な歩行者動線を形成。医療施設やコンベンションホールなど、これまでに誘導してきた導入機能の利便性や、駅北側の回遊性の向上を図るため、歩行者ネットワークの強化を図る。
 「防災」の面からは、災害時の駅前滞留者が滞留できるスペースの整備誘導、耐震化や電気設備などの浸水対策が図られた建築物の誘導など、災害に強いまちづくりを目指す。
 また、まちづくりにあわせて、建築物の省エネルギー対策、再生可能エネルギーの導入、効率的なエネルギー利用、屋上緑化や壁面緑化の取り組みの誘導や木材利用の促進など、環境への負荷に配慮したやさしさが感じられる駅前空間の創出に努める。
 駅前広場に面して賑(にぎ)わい・交流機能などのさまざまな都市機能を集積する「にぎわい・交流ゾーン」は事業着手しておおむね5年程度をめどに、民間敷地の開発と連携して、駅前広場の拡充を図る「駅前広場再編ゾーン」は全体の事業開始後10年程度をめどに、それぞれ取り組みを進める。

提供:建通新聞社