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建通新聞社(東京)
2020/10/13

【東京】都 地域公共交通の在り方を検討

 東京都は、地域の特性に合った地域交通ネットワークの形成と、誰もが移動しやすい利便性の高い都市の実現に向けた検討を開始した。学識経験者などで構成する検討会での成果を2022年3月下旬ごろに「東京都における地域公共交通に関する基本方針(仮称)」としてまとめ、公表する。基本方針の目標時期は40年代。都市づくりなど関連する政策も考慮しつつ、目指すべき東京の地域公共交通の姿と、その実現に向けた基本的な方針を描く。区市町村に対する支援策も検討する。
 「東京都における地域公共交通の在り方検討会(座長・轟朝幸日本大学理工学部教授)」の初会合を10月9日に開いた。
 検討会の初会合での報告によると、都内では、駅を中心とした高密な公共交通ネットワークが形成され、首都東京の高度な社会経済活動の礎として機能している一方、駅やバス停から距離が遠く公共交通の利便性が低い地域が存在する現状がある。
 公共交通の利用者は減少傾向にあり、人口動態を考慮すると、今後、ますます厳しい状況になることが予測されるという。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、利用者の減少に拍車がかかっている。交通事業者の経営状況の悪化に伴い、既存路線の廃止やサービス水準の低下などの問題が顕在化する恐れがある。
 こういった状況を踏まえ、コンパクトでスマートな都市を実現する「集約型地域構造への再編」を基本としつつ、鉄道ネットワーク、バス、タクシー、デマンド交通などと最先端技術の組み合わせることで、駅を中心とした誰もが暮らしやすい都市づくりを目指す。
 具体的には、都市の競争力・魅力を高めるために、交通ビッグデータやMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、自動運転などの活用の方向性を探る。高齢者の外出を促すグリーンスローモビリティ(時速20`未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上の車両)など、都民の多様な生活を支え、気軽に利用できる移動手段の新たな選択肢の普及・拡大についても検討する。
 21年12月下旬に基本方針の中間まとめを行い、パブリックコメントを経て22年3月下旬をめどに最終まとめを公表する予定。

提供:建通新聞社