農林水産省中国四国農政局は、2020年度に「国営緊急農地再編整備事業 高知南国地区」に着手する。現在、土地改良法に基づく手続きを進めており、20年12月に事業計画を確定し事業着手する見込み。対象は南国市内の15団地で、受益面積は区画整理522f、農業用用排水83f(単独受益は4f)の合わせて526f。ほ場整備を進める他、稲生団地で排水機場2カ所と排水路2・1`を整備する。事業期間は29年度までの10年間を予定している。
事業着手に先立ち、従来の四国土地改良調査管理事務所南国分室に代わり、8月1日付で「高知南国農地整備事業所」を設立した。すでに能間団地、久枝団地、下島団地を対象とした区画整理実施設計を公告しており、7日に開札する。また、この3団地に数団地を加えた基準点測量3件と地区界測量3件も大半が公告済み。さらに実施設計の前段として、現在の事業計画に基づき水路や道路の線形を検討する整備計画検討(その1)も7日に開札、さらに(その2)の簡易公募型プロポーザルも近く公告する。
同事業所では21年度以降、残りの団地において測量、調査、設計を順次公告し、工事着手に向けた準備を進めていく。
南国市は、県内屈指の農業地帯であるが、農業従事者の高齢化や後継者不足による耕作放棄地の増加が懸念されており、不整形な区画の農地や幅員の狭い耕作道などが課題となっている。また稲生団地では降雨時に農地への湛水被害が発生している。今回のほ場整備では、対象地区の農地の土地利用を計画的に再編し、担い手への農地の利用集積を進めることで、農業生産性と収益を向上させ優良農地を確保し、農業振興と地域活性化を目指す。
提供:建通新聞社