日本工業経済新聞社(群馬)
2020/10/07
【群馬】瀧沢石器時代遺跡で実施設計を21年度に
渋川市は赤城町地内の瀧沢石器時代遺跡の保存と活用に向けて2021年度に実施設計、順調に進めば22年度に工事着手する考えを示した。現在、ウッドサークル(東京都中央区)が基本設計および地形復元のための発掘調査を進めている。18年度に策定した整備基本計画には、W造平屋を基本とするガイダンス施設のほか駐車場、体験広場、配石遺構を展示する広場、展望広場、縄文時代の植生を表現した縄文の林などが位置付けられている。
史跡指定範囲は約4・33haあり、台地部分(T地区)と低地部分(U地区)に大きく区分して整備を計画。T地区を第1期整備として、実施設計1年、工事期間に3年間、おおむね4年間での整備完了を想定している。U地区は発掘調査がほとんど行われていないため、調査を行いながら憩いの場と位置付ける湧玉の広場や、湿生植物を植栽した縄文の水辺といった整備を検討している。T地区の整備完了後に、基本設計や発掘調査へ本格的に着手する見込み。
同遺跡は、縄文早期〜晩期、古墳、平安時代の複合遺跡。遺跡の南側に隣接して維持管理や体験・活用の場となるガイダンス施設と駐車場、体験広場、有用植物園など配置。ガイダンス施設の規模は、240〜320u程度。内部は休憩所を兼ねたホールが延べ床面積30u、展示室40〜50u、体験学習室(多目的室)100〜150u程度、体験学習準備室20u、便所(男・女・多目的)30〜40u、管理室10u、倉庫10〜20uを想定。延べ床面積は全ておおよそとなる。建物は縄文時代遺跡の景観に調和した意匠とし、自然に溶け込むような外観を志向する。
駐車場は乗用車30台、車いす用3台、大型バス2台程度を収容する計画。体験広場は火を使用した体験など多目的な利用を想定している。植物園は栽培体験、収穫物の利用などに活用する。広場のうち配石遺構の広場は配石表現や縦穴住居跡などの遺構を表現。南東側の微高地に展望広場を整備し、腰掛やウッドデッキなどの設置を見込んでいる。