岐阜県は、「令和2年7月豪雨」を踏まえた今後の治山事業の在り方を明らかにした。ダム上流の土石を堆積させるスペースの確保やスリットダムの設置を進める方針だ。第4回定例会一般質問で布俣正也議員の質問に答えた。
7月豪雨災害では、県内で44カ所の山地災害が発生した。内訳は、荒廃した谷からの土砂流失が19件、山腹崩壊が19件、複合被害が6件だった。
平成30年7月豪雨と比較すると、谷からの土砂流失災害は増加しているが、被災箇所では、既設の治山ダムが土石流や流木災害を抑制しているとともに、根を張ったスギやヒノキにより、多くの流木や土石が補足され被害を軽減していることが分かった。
これを踏まえ、今後は治山ダムの土砂流失の抑制効果を最大限に発揮させるため、ダムの上流部に土石を堆積させる場所を確保する整備や流木災害を止めるためのスリットダムの設置整備を進める考えだ。
また市町村や森林組合などと連携して治山ダム周辺の樹木の手入れを行い、本来森林が持っている土砂災害防止機能と治山事業を組み合わせた広角的な治山事業に取り組む方針だ。
提供:
建通新聞社