4日に投開票が行われた鯖江市長選挙で、三つ巴の選挙戦を制し、初当選を果たした佐々木勝久氏が、5日、鯖江市役所でインタビューに応じた。市民との対話の中で必要な政策を把握し、その実現に努める姿勢を示したほか、子どもが遊べる全天候型施設の整備に向けて、方針を早急に打ち出したい考えを明らかにした。
今回の選挙戦について投票率が61・63%(前回41・42%)と高かったことを指摘し「市民が真剣に鯖江市のことを考えてくれた結果だと思っているし、非常にありがたかった」と感謝を述べた。その上で「現場を見て、市民が何をやってほしいかを汲み取り実現する、コーディネーターのような役割を果たしたい」と強調した。
市民からの声が大きかった福祉の充実については、待機児童の問題や保育士の確保に力を注ぐとしたほか「子どもたちが遊ぶ全天候型の施設が、クローズアップされてきている。すべてを市の単独事業として、ゼロから建設することは難しい。だが、実現に向け既存施設の改修、民間の力を活用するなど、できるだけ早い段階で、整備に向けた方向性が見えるようにしたい」と考えを表した。
コロナ禍にあり、市内にも苦しい状況にある事業者が多く、選挙期間中はコロナ対策の重要性を訴えてきた。その中で行政としてのバックアップ体制構築について「(補助や支援は)望まれていることを、望まれている時期に、タイミングをしっかり計って行うことが重要」とし、各社、各業界と連携を取ながら、準備する構えだ。
雇用確保なども含めた企業誘致については「従来のような土地の提供や税制優遇による企業誘致で、他との競争に勝つのは正直難しいと思う」とした上で「ここまで築きあげた『鯖江ブランド』に魅力を感じてもらったり、勤勉な地域性、市民性に興味を持ってもらうよう積極的に働きかけたい」と意欲を示した。
北陸新幹線開業に向けた交通網の整備については、福井、越前両市や民間事業者との連携を深めるとした。
佐々木氏は元鯖江市議会議員で、07年の初当選から4期連続当選を果たし、17年からは議長も務めた。52歳。