鹿児島港本港区エリアまちづくりで、体育館等のスポーツ競技施設を盛り込まないとしていた県は、新たな総合体育館の建設場所としてドルフィンポート跡地は可能性がゼロではない考えがあることが分かった。まずは、塩田康一知事が示した国際会議場等が開催できる施設整備を目指す。1日、県議会企画建設委員会の審議で当局が答弁した。
ドルフィンポート跡地では、今年6月末での定期借地権期限切れを見据え、高級ホテルや大規模集客施設、駐車場の3施設を必須として本港区エリアの整備を目指していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、民間事業者の公募を中断した。
塩田知事の誕生により、「国際会議などを開催できるコンベンション機能や展示機能を備える施設整備の検討を行う」と県議会第3回定例会の冒頭、施政方針で明言。
また、「かごしまの多彩な魅力を発信する人・モノ・情報の交流拠点」等の3つの要素を踏まえたグランドデザインの開発コンセプトに基づき、コンベンション・展示機能を備える施設など、改めてまちづくりの方向性を検討し公募要項を見直す方針を表明している。
代表・一般質問等では、国際会議等だけでは稼働率が低く、大規模な建物で維持管理費も膨大となることが予想されることから慎重な質問もあったほか、当局からは「コンベンション機能だけの施設は民間事業者だけでは整備運営は難しいとの意見をいただいている」と説明した。
さらに、一般会計9月補正予算に「総合体育館基本構想検討委員会(仮称)」を新設する経費や需要予測調査費(928万円)が盛り込まれ、並行して議論が行われている。
建設場所は、県庁東側一帯と農業試験場跡地も候補地の一つという考えを塩田知事が示し、企画部での審査ではドルフィンポート跡地の可能性はゼロではないと答弁があった。
■跡地の暫定活用
一部を月極駐車場
ドルフィンポート跡地の暫定活用はきょう2日から、約2万uをイベントスペースとして活用する。また、敷地の両側一部(約0・3万u×2カ所)を月極駐車場として有償で貸し付け、維持管理費の財源とする。今後、必要な手続きを進め、年内に貸し付けを開始。ツアーバスの乗降場等(約0・6万u)はクルーズ船寄港の状況等を踏まえ、利用開始時期等を検討する。