横浜市は旧上瀬谷通信施設の跡地利用に関連して整備する「上瀬谷ライン」の基本設計業務をパシフィックコンサルタンツ(横浜事務所、横浜市西区)に委託した。公募型プロポーザル方式で委託先に特定し、3億4481万円の見積金額を採用して9月24日付で契約を結んだ。地下式+地表式の新交通システムとする方針の下で作業を進め、軌道法の特許申請図書を2020年度内に取りまとめて申請手続きにつなげる。22年度の着工、旧上瀬谷通信施設の一部を利用した国際園芸博覧会(27年3月スタート)までの完成を目指す。
上瀬谷ラインは相模鉄道本線・瀬谷駅(起点)と旧上瀬谷通信施設(終点)を結ぶ新たな交通。環状4号線(瀬谷区)を導入空間に延長約2・6`の複線軌道と2駅を設け、最大8両編成の車両を上下線合わせて1日に414本運行する。旧上瀬谷通信施設内に面積約5・1fの地表式車両基地も造る。
今年1月からの環境影響評価手続きを通じ、起点側約1・9`が地下式、終点側約0・7`が地表式の新交通システムにする方針を固めた。
地下式区間は「(仮称)瀬谷駅」など箱型トンネル約0・2`(開削)、軌道の円形トンネル約1・7`(長円、シールド)で構成。地表式区間については、地下式区間から地上に出るまでの擁壁約0・1`(開削)と、軌道や「(仮称)上瀬谷駅」の土工部約0・6`で構成させる。軌道と駅舎で概算費用を約410億円と見積もっている。
工事工程は▽準備工=22〜23年度▽(仮称)瀬谷駅を含む箱型トンネル=22〜25年度▽円形トンネル=22〜24年度▽地下〜地表切り替え部の箱型トンネル・擁壁=23〜24年度▽(仮称)上瀬谷駅を含む土工部=23〜24年度▽車両基地=24年度▽設備関係=24〜26年度―としている。
基本設計業務は21年3月17日が履行期限。土木・軌道・建築・電気設備・機械設備・車両・車両基地に関わる基本設計を行い、概算建設費や概算工事工程を練って軌道特許申請図書を作成する。
提供:建通新聞社