県立病院局は9月30日、新薩南病院基本設計の概要を県議会環境厚生委員会に報告した。建物規模は免震構造の地上6階塔屋1階付き延べ1万4939・3uで、昭和設計(大阪市)・県建築設計監理事業協同組合(川口利昭理事長)JVがが9月30日の期限で担当。概算事業費は約95億円で今後、同JVにより実施設計を進め、2021年8月ごろの着工、23年3月末の開院を目指す。
建物の平面計画をみると、1階は外来、救急外来、循環器病センター、消化器病センター、放射線、検査の各部門などの外来エリアを配置。2階はリハビリテーション、透析センター、手術・中央材料、管理を設置する。
3〜5階には病棟を設け、中央のスタッフステーションを取り囲むように病室を配置。6階にはエネルギーセンターと備蓄倉庫、塔屋階はヘリポートを整備する。
また、3階の一画に分娩室、4階は感染症、5階は結核に対応するエリアに陰圧切替対応室を設ける。
設備概要のうちBCP(事業継続計画)は、2回線受電による電力のバックアップや非常用発電機を設置、受水槽には3日分の水量を貯水するほか、上水として井水も利用、非常用排水貯留槽を設ける。
環境への配慮は、高効率変圧器の採用やLED照明、人感センサー、太陽光パネルの設置、井水熱の利用、BEMS(ビル・エネルギー管理システム)を導入。
建設地は、南さつま市加世田村原の県有地1万9554u(第一種中高層住居専用地域)。約400台分の駐車場も確保し、別棟で職員のために保育所を設置する考え。
病床数は165床(一般151床、感染症4床、結核10床)で診療科は内科、循環器内科、消化器内科、人工透析内科、外科、消化器外科、放射線科、産婦人科、小児科、麻酔科、整形外科を予定。
概算事業費の内訳は設計・監理費3・3億円、建築工事費70・8億円、外構1・2億円、ヘリポート工事費1・1億円、医療機器等整備費17・5億円、引越し費0・9億円を試算している。