名古屋市緑政土木局は、みどりの基本計画2030(案)≠まとめた。10月1日に開始するパブリックコメント手続きを経て、2021年3月ごろに計画を策定する予定だ。30年度までに累計10公園で民間活力を導入して公園の整備・運営管理に取り組む方針。
これからのみどりは「つくり、守る」に加え、「育て、活かす」視点が重要だと展望。その上で、みどりに求められる観点を▽都市力(都市とみどり)▽地域力(地域とみどり)▽持続力(社会とみどり)の三つの力に整理した。全てに共通する方向性には、SDGsの達成、グリーンインフラの取り組み推進、みどりのネットワーク形成を挙げた。
みどりの多面的な効果には8Kを設定。▽観光▽景観▽活力▽交流▽子育て・教育▽健康・福祉▽環境▽危機管理―のカ行から始まる八つの視点で、三つの力を高める。観光・景観・活力が都市力、交流・子育て教育・健康福祉が地域力、環境・危機管理が持続力を高める取り組みテーマ。
都市力は、魅力あるみどりのまちを形成する。計画目標には公園の満足度(鶴舞公園と名城公園)と民間活力導入による整備・運営管理(累計10公園)を設定した。公園の再生やまちの回遊できる仕組みを構築する他、シンボル並木をはじめとする街路樹の並木の質を高める。
民間活力導入の充実では、これまでに名城公園と久屋大通公園の2公園でPark−PFIを導入済み。民間活力導入の累計10公園は、Prak−PFIの他、指定管理者の業務範囲拡充を視野に入れている。本年度内に指定管理期間が満了する案件もあるため、計画期間内の民間活力導入件数は明らかにしていない。
地域力は、身近なみどりを活用する。目標には、公園の利用頻度(月1回以上の人の割合を65%)、地域に身近な公園の再整備(10年間で10公園)、緑のまちづくり活動に携わった市民の延べ人数(10年間で34万人)を設定。地域住民などによる身近な公園の利活用推進や、子育てしやすい公園づくり、健康器具系施設の導入、公園のバリアフリー化などに取り組む。
持続力は、みどりの基盤を強化する。目標は名古屋のみどり(多いと思う人の割合70%、満足している人の割合70%)、防災公園の整備(整備完了3公園、新規事業着手2公園)、新たに確保されたみどりの面積(10年間で400f)に置いた。公園・街路樹の計画的な更新や防災機能の充実などを行う。
提供:建通新聞社