京都府は、舞鶴市朝来中地区で農地中間管理機構関連農地整備事業に乗り出す。
同事業を巡っては、農林水産省の令和2年度当初予算に係る公共事業の箇所別予算額において(舞鶴市)農地中間管理機構関連農地整備事業(朝来中)に5000万円(全体事業費2億6300万円)が計上され、事業化が決定した。
対象の舞鶴市朝来中地区は、二級河川朝来川沿いに展開する農地で、地下水位が高く河川高も高いことから湿田状態(低湿地帯)となっており、トラクターなどの作業機械の進入が困難なほ場については休耕地となっている。農業従事者の高齢化と減少が進行し、農業水利施設の老朽化も進んでいる状況。
今回、中間管理機構(農地バンク)を活用し、農地の集積を進め、担い手である農地所有適格法人に集積・集約化を図るとともに、地域に適した高収益作物営農を目指す。対象地区10・8fで区画整理(ほ場整備)を行う。
水田を汎用化し、地域内の約9割に及ぶ農地を農地所有適格法人に集積することにより、農業生産性の向上を図る。
主要工事計画によると、揚水機は、圧送ポンプ(揚水量0・0546m3/s、実揚程17・7m、揚水機(水中ポンプφ125o×2台)、原動機(モーター、10・0kw×2台))。用水路は、開水路の井堰取水路(最大通水量0・0451m3/s、延長90・0m、UF−250、勾配1/120)。管路は管水路PL−1(最大通水量0・0546m3/s、延長6・0m、VUφ250、土かぶり0・6m、制水弁工)、PL−2(最大通水量0・0545m3/s、延長179・0m、VUφ250、土かぶり0・6m、制水弁工)、PL−3(最大通水量0・0490m3/s、延長353・0m、VUφ200、土かぶり0・6m、空気弁工)、PL−4(最大通水量0・0210m3/s、延長58・0m、VUφ150、土かぶり0・6m)、PL−5(最大通水量0・0123m3/s、延長58・0m、VUφ100、土かぶり0・6m)、PL−6(最大通水量0・0021m3/s、延長13・0m、VUφ75、土かぶり0・6m)、PL−7(最大通水量0・0000m3/s、延長23・0m、VUφ75、土かぶり0・6m、制水弁工)、PL−8(最大通水量0・0498m3/s、延長177・0m、VUφ200、土かぶり0・6m、制水弁工・空気弁工)、PL−9(最大通水量0・0181m3/s、延長52・0m、VUφ150、土かぶり0・6m)、PL−10(最大通水量0・0065m3/s、延長41・0m、VUφ100)、PL−11(最大通水量0・0007m3/s、延長129・0m、VUφ75)の合計延長1089・0m。
その他かんがい施設は貯水槽V500m3が1ヵ所。
道路は、支線道路8路線(幅W3・0m(有効幅員W4・0m)×延長1・5q、砂利)、支線道路5路線(幅W3・0m(有効幅員W4・0m)×延長0・1q、As)、管理道路1路線(幅W3・0m(有効幅員W2・5m)×延長0・1q、砂利)。
区画整理は、整地工は面積10・6f、標準区画40m×75m。表土扱いは10・6f、土量は1万5900m3。公共残土搬入のため、切盛土量なし。
末端用水路等は、流末処理φ75(VU管)×2(支線排水路へ放流)。末端排水路等は、河川放流工でφ900及びφ500(既設利用)・(ヒューム管)×2。
客土は、湛水防除で客入土量14万7930m3。
ほ場の嵩上げに他の公共事業で発生する残土を利用し、コストの縮減を図る。
当該地区の環境調査(令和2年3月)において、植物はミズマツやシャジクモ、動物はアガサやマルタニシなどが確認された。事業では表土扱いによって維持再生を図るほか、周辺の同一環境への移植を行う。水路へ再移植する場合は、一定の水量を維持する管理を行う。また計画貯水槽の法面部や底部を土羽で施工することによって、ビオトープ空間を創出し、当該地区に生息する生物の多様性を維持し、生態系を保護する。
事業期間は令和2年度から6年度まで。
事業費は2億3800万円。内訳は、工事関係が整地工4300万円、道路工1400万円、用水路工3800万円、機場工2800万円、排水路工5200万円で計1億7500万円を見込み、測量試験費3300万円、用買・補償費700万円、換地・確測費2300万円と想定する。高度化推進事業2500万円を加え、合計で2億6300万円。
中丹広域振興局は、令和2年度に5000万円を計上し、詳細設計(実施設計)一式を進める。
なお舞鶴市は、朝来中地区ほ場整備に関し、水源調査、さく井ボーリング、揚水試験を行う業務を令和2年1月入札により、キンキ地質センターに委託し実施した。