交通状況や路面状況のモニタリングなどへのICTやAIなどの活用を検討する「道路のAI活用検討会」が9月23日に発足し、津市内で第1回会合が行われた。三重県が2020年度に初導入する予定のAIカメラの運用を踏まえて、国土交通省、中日本高速道路から助言などを県が得て、課題などを協議する場として位置付けられた。20年度中にあと2回開催する予定。
発足に当たり、水野宏治三重県県土整備部長が検討会発足の目的として、道路施設の老朽化に対してAIを活用して効率化を図るなど、維持管理業務などの道路分野におけるデジタル化を議論する場の必要性を強調するとともに、県が9月補正予算案にAIカメラ導入費を計上していることを説明した。
出席した松居茂久中部地方整備局道路部長は、道路における今後の課題として、ストックの老朽化、利用者サービスの向上、限られた人的資源を取り上げ、「利用者の満足度を高めるためにはAIの分野は必須だ」とし、合田聡中日本高速道路名古屋支社保全・サービス事業部長は、19年度に立ち上げた「i―MOVEMENT」などに触れ、「データから判断することをAIに委ねることで省力化が図られる」とそれぞれ、AI化への期待感を示した。
議題では、CCTV画像のAI解析による活用方法や、直轄国道における維持作業の自動化など、道路分野におけるITやAIの取り組み状況を説明。三重県のAIカメラ導入については、予算可決後、県管理道路に10機を配備し20年度内に運用し、観光地や主要駅などで「交通状況」「路面状況」などをモニタリングし、区画線の引き直しや舗装の打ち換えの判断材料として活用する方針(案)を説明した。
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建通新聞社