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建通新聞社
2020/09/28

【大阪】近畿地整とPC建協が意見交換

 国土交通省近畿地方整備局とプレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協、大野達也会長)との意見交換会が9月24日にウェブ会議形式で行われた。PC建協の大野会長は、各地方整備局との意見交換を「最重点活動」と前置きしながら、「年度工事量の安定的確保や働き方改革の推進は、若手技術者が地元で安心して働けるために必要であり、生産性向上の推進は官民喫緊の課題。インフラ長寿命化への対応も重要な柱だ」と意見交換の提案事項について説明。近畿地整の溝口宏樹局長は「PC建協をはじめ建設業界に将来にわたってインフラ整備をしっかり支えてもらうため、提案事項は重要なテーマだ」と述べ、発注者としても建設業界の魅力ある職場環境づくりに取り組む考えを示した。
 意見交換会では@年度工事量の安定的な確保A働き方改革の推進B生産性向上の推進Cインフラ長寿命化への対応―の四つのテーマを協会が提案。
 このうち、年度工事量の安定確保については、協会が「PC工事に携わる専門工事業会社の存続のため、あるいは地元志向が強い若手技術者の確保の観点から、地域ごとに安定的な工事量が確保されていることが重要だ」と要望。発注機関ごとの年度別PC工事発注量を示しながら、道路会社や鉄道会社の工事は一過性が高いとし「国交省や自治体の工事量確保」を求めた。さらに発注量全体に占める補修工事の割合が多い点を指摘。「若い技術者らの入職のためにも新設のPC橋工事の発注をお願いしたい。長期的視点に立ち、(新設橋がある)新たなプロジェクトを計画していくことも必要だ」と付け加えた。
 整備局は安定的な工事量確保の要望に理解を示しながら、20年度も昨年度を上回る事業が確保でき、21年度以降も多くの事業中のプロジェクトで橋梁工事の発注があることを紹介。重要物流道路など中長期的なプロジェクトを作り込んでいくことも大切だとし、「PCの優位性を評価しながら橋種を選定したい」と答えた。
 生産性向上では「省人化・省力化につながり、安全性向上、工期短縮にも寄与する」としてプレキャスト化の推進を要望。PCコンポ橋の他、中空床板橋や箱桁橋に替わるUコンポ橋、鋼桁上の床版構造としてプレキャストPC床版の有効性を示して検討を求めた。
 整備局は、本省で進められている設計要領の見直し作業を踏まえながら、ばらつきがある整備局ごとの取り組みを統一する必要性について認識を示し、「Uコンポ橋は北陸地整の道路設計要領の事例なども踏まえ、近畿でも反映できないか検討する」と答えた。
 この他、総労働時間の削減に向け「週休2日工事を全て発注者指定型に」、ICT活用促進では「新技術導入促進(U)型の発注の継続を」、インフラ長寿命化への対応では、外観目視だけでは原因や補修の程度が把握しづらいPC橋補修工事に「設計交渉・施工タイプや技術協力・施工タイプ(ECI方式)の契約方式の試行」、専門技術を要する直轄橋梁の補修が複数ある場合に「簡易ECI方式による一括発注の導入検討」を要望。整備局は「個別の勉強会の場を活用し、実態に合わせた制度を検討したい」と述べた。

提供:建通新聞社