北陸環境サービス(本社・福井市白滝町、木下高廣代表取締役)が建設を進めた、管理型最終処分場が、このほど竣工した。9月11日付で、営業の許可を取得している。
民間の管理型としては、県内において数十年ぶり。埋立面積は、2万8047平方メートル。埋立容量は、53万7241立方メートルで、総工費には約55億円を投入。浸出水の循環利用や、耐震性の確保など、周辺環境に徹底配慮。15年間の埋め立て期間を見込み、本格的な受け入れを開始した。
新処分場の許可品目は、産業廃棄物としては、燃え殻、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築または除去に伴い生じたものは除く)、陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん、政令第2条13号廃棄物(石綿含有産業廃棄物含む)。特別管理産業廃棄物の廃石綿なども対象。また一般廃棄物としては、焼却灰、不燃物、汚泥、ばいじん(石綿含有一般廃棄物含む)としている。
管理型処分場の特長点は、浸出水を基本的に放流せず。処理後において、隣接する既設の焼却プラント1号炉(処理能力14・4トン/8時間)、および2号炉(92・4トン/24時間)の冷却水として、再利用する循環型システムを構築。
過去の豪雨災害などデータ分析し、その上で、容量8000立方メートルの浸出水調整槽と、同1800立方メートルの防災調整池を整備。想定外の災害までを考慮している。
設計・施工は、大手ゼネコンの清水建設が一括受注。水処理設備は、栗田工業グループのクリタス(東京都豊島区)。設計協力は、ウエイストマネジメントコンサルタント(WMC、東京都江戸川区)が担当した。
場所は、福井市白滝町他の焼却プラント1・2号炉の近隣に建設。物流機能を高める交通アクセス性にも優れ、北陸自動車道の福井インターや、鯖江インターから約30分圏内という、好立地条件を備えている。
同社は、設立30年超の歴史の中で、日本の素晴らしい環境と、豊かな自然を守ることを目指してきた。社会貢献をビジネステーマに掲げ、企業から排出された産業廃棄物の収集運搬と中間処理、最終処分までを柱に事業展開している。
木下代表は、今回の民間唯一の管理型最終処分場の竣工を機に、一層の社業発展を期す。近年の多発する自然災害等に心を痛めて、「災害を想定し、被災地の一刻も早いライフラインの復旧へ、大量の廃棄物の受け皿としても貢献を」と、高まる社会のニーズに、十分応えていきたい考え。