甲賀市は、今年度から新規事業として着手した水口町南林口〜貴生川までの1・5qを対象とした新設道路整備事業「仮称・水口北内貴道路新設工事」について、来年度は計画内容の庁内検討及び地元協議を主に進めていく考えから、当初予算案には関連事業費を計上しない可能性が浮上している。
当初計画では、来年度に地形測量業務を、22年度に予備設計、23年度(令和5年度)に詳細設計へと進め、状況を見極めて工事着手を目指していくとしていたが、新型コロナウイルスの影響等で地元協議が進まなかったこと、市民の声を反映した事業としたいとの思いから、来年度は「協議の年」と位置づけ、計画内容を熟考する考えだ。このことから、当初予算案には事業費の計上がされないのではとの声が多く、予算措置するにしても補正対応が有力視されている模様。
なお、新設道路内の構造物として整備予定の橋梁整備についても地元説明を調整中。規模等は現在のところ未確定ではあるが、内貴橋(橋長約200b)と柏貴橋(橋長約195b)と同等程度の橋梁となる見通しだ。整備着手時期は地元との協議進捗で判断する。
同事業は、市役所周辺の市街地と貴生川地域の市街地を結ぶ市道新町・貴生川幹線の歩道は未整備区間があり、幅員も狭いことから歩行者・自転車の通行に支障をきたし、快適な歩行者空間整備が出来ていないことや、南北を結ぶ幹線道路が国道307号しかないことから慢性的に渋滞が発生しており、これらの問題解消を求める市民からの声が上がっていた。そこで市は、関係者らと協議を進め、市街地を通らず誰もが貴生川駅に容易にアクセスできる新設道路整備を計画、今年度からのスタートとなった。
整備場所は、内貴橋と柏貴橋の中間地点となる南林口交差点〜市道宇川・貴生川3号線貴生川地先カーブまでの約1・5q。同線は野洲川を跨ぐことから構造物の整備も同時に行っていく。
なお、概略設計は近畿設計測量(甲賀市)が担当している。
提供:滋賀産業新聞