横浜市は新たな劇場の整備で、地下1階地上5階建て延べ床面積約4万4000平方bの施設規模を想定するとともに、調査設計と工事の概算費用を合計約480億円(税込み、以下同じ)と見積もった。9月23日に開いた有識者委員会の基本計画検討部会(部会長=本杉省三日本大学名誉教授)に示した。2020年度内に基本計画を策定し、21年度以降の設計などにつなげる見通しだ。
新たな劇場はオペラやバレエなど本格的な舞台芸術が上演できるものを念頭に置いて、18年度に整備の検討をスタート。19年6月に立ち上げた有識者委の議論と1次提言(19年12月)を踏まえ、整備の適地にみなとみらい21中央地区60・61街区(西区みなとみらい6丁目)の未利用市有地約2・3fを選ぶとともに、2500席規模でハイスペックな舞台設備などを備えた施設にする方針を固めた。
単館施設を公共事業で整備する方向性を掲げ、今年6月から有識者委の下に設けた二つの検討部会で基本計画の中身や管理運営の在り方を議論。また、松田平田設計(横浜事務所、横浜市神奈川区)が基本計画の検討業務、シアターワークショップ(東京都渋谷区)が管理運営に関する調査業務を手掛けている。
23日の部会に示した内容を具体的に見ると、施設規模の想定は▽ホールエリア(観客席、舞台など)約1万7000平方b▽創造支援エリア(リハーサル室、練習室など)約7000平方b▽インフラエリア(駐車場、設備諸室など)約1万3000平方b▽その他(廊下、トイレなど)約7000平方b―を積み上げた。また、構造別の内訳を▽鉄骨鉄筋コンクリート造約2万2500平方b(舞台・劇場など)▽鉄筋コンクリート造約1万7100平方b(練習室など)▽鉄骨造約4400平方b(荷さばきなど)―とした。
概算費用のうち工事費は建築物部分約320億円、地下部分約45億円、舞台設備約95億円の合計約460億円。調査設計費は設計・工事監理費や地盤調査費などで約20億円としている。
また、未利用市有地うち西側の約0・3fを「劇場関連用地」と位置付けて、劇場施設のアクセスやバスの一時駐停車スペース、複合利用、劇場施設との一体利用に活用する考え。今後、導入機能を見極めつつ事業手法の検討などを行って、利用計画を策定する。
提供:建通新聞社