香川県教育委員会の設置した「東讃統合校に関する懇談会」は、石田・志度・津田の県立3高校を統合した新校の設置に向けた教育内容などの議論を開始した。県では、懇談会での検討結果を踏まえて年度内に統合校のグランドデザインを固め、2021年度に統合校の設置場所を決定し、施設設備の整備スケジュールを検討していく考え。27年度ごろの開設を視野に入れている。
東かがわ・さぬき地域では、中学校卒業者数の減少が県内の他地域よりも急速に進んでいる。そうした状況を踏まえ県は、21〜30年度の10カ年を計画期間として策定した「魅力あふれる県立高校推進ビジョン」の中で、域内にある▽三本松高校(東かがわ市三本松1500ノ1)▽石田高校(さぬき市寒川町石田東甲1065、農業科・家庭科)▽志度高校(さぬき市志度366ノ5、商業科・工業科)▽津田高校(さぬき市津田町津田1632ノ1、普通科)―の4校を2校に再編整備する方針を打ち出した。三本松高校を単独再編し、石田、志度、津田の3校を統合して新たな高校を設置する。
新校では、既存3校に設置している5学科を維持しながら、学科横断型の学びを取り入れる。現段階で県が想定している設置学科は、全日制で「地域研究学科(普通科)」「農業クリエイト科(生産科学科、環境土木科)」「工業クリエイト科(機械工学科、電気工学科)」「ビジネスデザイン科(商業科)」「ライフデザイン科(家庭科)」の5学科。普通科には文系・理系コース、農業科にはアグリビジネス・園芸科学・緑地環境・土木工学コース、家庭科には食物栄養・服飾コースを用意する。
懇談会では、統合の背景や基本的な考え方、さらに想定する学科の特色や各コースの目標などを県が説明。委員からは「学校を廃止すると地域がさびれてしまう。既存の学校(校舎)を活用する方法も探るべき」「高校を卒業して地元に就職することで地域が活性化する。そうしたモデルとしてほしい」「既存の学校を改修し、全ての学校で授業をするキャンパス方式を取り入れることができないのか」といった意見が出た。
提供:建通新聞社