県県土整備部は10日、2020年度「第1回県県土整備公共事業評価審議会」(会長=轟朝幸・日本大学理工学部交通システム工学科教授)を開き、▽主要地方道成田小見川鹿島港線▽三郷流山橋有料道路事業及び地方道道路改築事業、主要地方道越谷流山線バイパス(仮称)三郷流山橋▽主要地方道鎌ケ谷本埜線バイパス▽野田都市計画道路今上木野崎線▽印旛沼流域下水道事業(印旛沼処理区)▽手賀沼流域下水道事業(手賀沼処理区)▽江戸川左岸流域下水道事業(江戸川処理区)――の7件について再評価を行い、いずれも事業の継続を妥当とした。
(仮称)三郷流山橋は、施工方法の変更や軟弱地盤対応などに伴い、事業費を42億円増額し、170億円から212億円となった。増額分の内訳は施工方法の変更19・8億円、軟弱地盤対応15・7億円、用地補償3・3億円、その他3・2億円。
同事業は、慢性的に混雑している流山橋周辺地域の交通混雑緩和及びつくばエクスプレス沿線開発に伴う新たな交通ネットワークの強化を目的に、江戸川を渡河する新橋「(仮称)三郷流山橋」を含むバイパスを整備する。事業は埼玉県と共同で実施。2018年度から有料道路事業を導入し、22年度の工事完成を目指している。
事業の起点は埼玉県三郷市前間地先で、終点が流山市三輪野山地先。事業延長は1960m(埼玉県区間680m、渡河部450m、千葉県区間830m)。事業費の内訳は有料道路事業84億円、一般道路事業128億円。事業の進捗は全体で64%、千葉県区間で51%。
また、鎌ケ谷本埜線バイパスも軟弱地盤対応などから事業費を約12億円増額し、59億円から71億円にするとともに、軟弱地盤対策の追加に伴い事業期間を延長。21年度の供用開始、22年度の事業完了を目指す。
同事業は、現道部の幅員が狭くカーブが連続していることなどから、未改良区間の走行性や安全性、利便性の向上を目指して整備を進めている。事業区間は印西市萩原地先から印旛郡栄町安食地先までの約4・5q。総事業費は71億円。事業の進捗率は82%で、残事業費13億円。
このほか成田小見川鹿島港線は、成田市取香地先から多良貝地先までの延長4・26qについて4車線化整備を進めている。事業期間は24年度まで。総事業費は54億円。事業の進捗率は79%。残事業費は11億円。
今上木野崎線は、東武野田線との立体交差を含む野田市山崎交差点から南部工業団地入口交差点までの約0・7qのバイパスを整備。事業期間は25年度まで。総事業費は82億円。事業の進捗率は27・1%。残事業費は59億8000万円。
一方、3流域下水道事業は、各処理区の生活環境改善や公共用水域の水質改善などを目的に、幹線管渠や処理場等の整備を実施。
事業の進捗は、印旛沼流域下水道事業が全体計画2万7391haに対し1万7977haを整備済みで、整備率66%。事業期間は48年度まで。総事業費は3870億円。処理人口は140万6200人。
手賀沼流域下水道事業は全体計画1万2012haに対し、整備見込みが7665haで、整備率63%。事業期間は43年度まで。総事業費は2310億円。処理人口は65万7700人。
江戸川左岸流域下水道事業は、全体計画2万417haに対し、整備済みが1万1318haで、整備率55%。事業期間は44年度まで。総事業費は3820億円。処理人口は142万1100人。