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鹿児島建設新聞
2020/09/10

【鹿児島】きょうは「下水道の日」/人口減少見据え 広域・共同化の指針策定へ

 きょう10日は下水道の日−。県内では18市町が公共下水道で汚水処理を進めているが、老朽化等に伴う長寿命化対策や人口減少による施設規模の適正化等に舵を切っている。県では指針となる「広域化・共同化計画」の策定に向け動き出し、鹿児島市水道局は2020年度から2カ年で基本構想および全体計画(施設計画)をまとめる。各自治体の経営環境は厳しさを増しており、効率的な執行が求められている。

 県内の一部市町村では処理場の統合や窓口の民営化等が始まっている。農業集落排水事業等では地域住民の高齢化等もあり、受益者減少で経営環境が厳しくなっているが、老朽化に伴う施設更新は財政的負担等が大きいため、長寿命化等の対策を進めている。
 施設の広域・共同化の促進では、18年6月に設立した「県生活排水処理(広域化・共同化)検討会」で話し合いにより、最適なブロック割りをはじめ、共同化パターンなどを模索。具体的な検討に向け、県では生活排水処理広域化・共同化計画策定検討業務を委託した。
 鹿児島市水道局は、今後20年間の道しるべとなる基本構想とその構想を踏まえた全体計画で、施設規模の適正化等(ダウンサイジング等)の検討に乗り出し方向性を定める。処理場の統廃合では2処理場体制に向け整備中。
 また、下水道総合地震対策計画では普及率が79・3%に達していることから、大規模地震等により機能に支障を来せば、環境衛生面で甚大な被害が及ぶ。そのため、老朽化対策と合わせ早急に実施する必要があり具体策をまとめる。


■各自治体で長寿命化対推進

 主な整備状況をみると、薩摩川内市は川内地区で、汚水管路施設や宮里浄化センター水処理施設建設を継続。長浜地区は汚水管路施設や長浜浄化センターを整備。上甑地区長寿命化対策は、実施設計や遠方監視装置を設置するほか、下水道ストックマネジメント計画の策定を予定。
 奄美市は、赤木名地区で汚水管路新設を進め、一部供用開始を予定。名瀬地区では、区画整理に伴った管路移設などを計画。このほか、老朽化した名瀬浄化センターの改築・更新、施設点検や調査を踏まえたストックマネジメント計画策定なども行う。
 18年度から着工した南さつま市は22年度中の一部供用を目指す。対象地域は市街地部の加世田処理区77ha。日本下水道事業団(JS)への委託により、加世田浄化センター管理施設建築を20年度中の完成を目指している。

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