建設新聞社
2020/09/09
【東北・宮城】候補者はオリコンサル/慶長使節船ミュージアム改修設計プロポ
慶長使節船ミュージアムのリニューアルを計画している宮城県は、改修基本設計業務の委託候補者をオリエンタルコンサルタンツに決めた。公募型プロポーザル方式で選定したもので、今後契約する。委託上限額は1億0409万円に設定している。
牡鹿半島の付け根に位置する宮城県石巻市渡波大森30の2地内にある慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」は、江戸時代に仙台藩主伊達政宗の命で欧州を訪問した支倉常長ら慶長使節団の資料や、航海に用いられた船舶サン・ファン・バウティスタ号(復元船)を展示している。
1996年に開館したが木造の復元船は老朽化して維持が難しいため解体し、併せて展示もリニューアルする。既存施設の概要は敷地面積が1万5290平方b、建屋はRC造一部S造およびW造の延べ4477平方bで展望棟、エスカレータ棟、ドック棟、屋外棟により構成する。
改修基本計画によると、展示コンセプトは県全体の観光ストーリーに沿う仙台藩との関わり、帆船技術や海洋文化の伝承、東日本大震災からの復興、自然風土など立地特性を生かした展示─といったテーマを掲げている。
具体的な委託内容は、展望棟の建物や展示およびエスカレータ棟の改修基本設計のほか、ドックおよびドック棟の改修基本設計として、後継船の製作に係る基本設計をはじめ、復元船およびドックゲートの解体設計、護岸詳細設計などをまとめる。このほか、遊歩道など外構改修に係る基本設計やドック地質調査、測量なども実施する。履行期限は2021年3月26日。
21年度に実施設計を作成するとともに、解体に着手。22〜23年度で工事を行い、24年度の供用開始を予定している。概算事業費は後継船に約4億5000万円、船解体に1億4500万円、ドック改修に約2億〜3億円、展望棟整備に4億1500万〜4億5000万円、ドック棟整備に約3億9000万〜5億3000万円、その他散策路などに8000万円の計15億9400万〜19億4800万円程度を試算している。
なお、改修基本計画もオリエンタルコンサルタンツがまとめた。
提供:建設新聞社