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建通新聞社(東京)
2020/09/09

【東京】都 コロナ禍での地下鉄駅周辺の在り方検討

 東東京都都市整備局は、地下鉄駅と駅周辺施設の一体的な開発を進めるに当たり、コロナ禍を経た「新しい日常」で駅空間に求められる機能の検討を始める。駅を中心とした周辺エリアと連携した整備を促す「駅まち一体開発」の必要性と実現性が高い候補駅を選定して勉強会を開き、候補駅に関する具体的な整備計画、事業スキームを検討。2020年度末までにまとめる。
 区部中心部の地下鉄駅は、複数の鉄道路線や道路、バスなどが相互に連絡する重要な交通結節点であるにもかかわらず、出入り口が分かりにくいなどの課題を抱えた駅が多い。これらの課題を解決する手段として、都は「駅まち一体開発」を促進している。
 駅まち一体開発では、利用者が使いやすい鉄道施設や、駅と一体となった広場や歩行者用デッキなどの整備を誘導。駅周辺には、子育て支援や防災、にぎわいなど、地域のニーズに応じたさまざまな機能を導入する。複数路線の乗り入れなどで動線が複雑な駅や乗り換えが不便な駅は、通路の新設や駅空間の拡大など駅施設の改善を促す。駅やまちと一体となった段差のない地下通路の整備など、バリアフリー化も誘導する。
 都では、こうした方針に沿って駅まち一体開発の可能性がある駅の検討を進めており、加えて20年度は、今回のコロナ禍を踏まえ、「新しい日常」の駅空間に求められる機能や駅まち空間の在り方についても検討し、空間モデルやイメージパースを作成する。
 具体的には▽働き方・暮らし方の変化や都心と郊外で求められる機能▽安全性・快適性に対する意識の高まり(目指すべきサービス水準)▽オフピークの定着に伴う必要最大容量(ピーク率)の変化―の3点について検討する。
 さらに、駅周辺開発の具体的な計画やスケジュールなども踏まえながら、駅まち一体開発の必要性や実現可能性が高いと思われる駅を一カ所選び、勉強会を2回程度開催する。勉強会で再整備の方向性や具体的な整備計画、再整備による効果などをまとめ、事業スキームと役割分担を整理。「新しい日常」にふさわしい駅まち一体開発の在り方を探る。

提供:建通新聞社