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北陸工業新聞社
2020/09/07

【富山】初動対応力と機動力を発揮/県警察機動C設計プロポ/最優秀=押田の提案

 富山県の「富山県警察機動センター新築工事基本設計業務」公募型プロポーザルで、最優秀者に押田建築設計事務所が決まった。同社の提案では「初動対応力と機動力を発揮し、社会と県民の生活を守る警察機動センター」を提案している。以下、主な提案内容。
【業務実施方針および手法】
※特に重視する設計上の配慮事項
▽基本構想を踏まえた提案を行い、確実に業務を推進
1通常業務で使いやすく、迅速な初動警察活動が行いやすい施設
・建物を中心とした敷地内のセキュリティゾーニングを計画
・「警察車両専用」の動線を明確にし、出入口を2カ所確保
・機動力を最大限生かす明快な庁内ゾーニング
・3重のセキュリティ管理で庁舎内の安全確保
2誰もが利用しやすく安心・安全を感じられる施設
・「シンプル」で「混雑しない」、「適材適所」の駐車場計画とし車両、来庁者、免許センター駐車場を明確に分ける計画
・警察活動と来庁者双方の利便性とプライバシーを両立する諸室配置
3想定外を想定した警察機能が停止しない施設
・災害時でも警察の初動活動の維持が可能な多重の安全対策
・地震、水害、暴風、火災などに対して、警察機能を維持する提案
4維持管理しやすい省エネルギーな施設
・田園エリアの気候を生かした省エネ庁舎
X周辺に優しく、シンボリックな施設
・機動隊庁舎との「調和」を図り、「安心感」のある外観デザイン
※対話 業務における取組体制
▽対話と合意形成を重視し、関係者と「ともにつくる」密着型の丁寧な設計プロセス
・コミュニケーションを重視した設計進捗
・警察施設の設計における守秘義務を徹底した業務管理
・数案の比較検討によるベストプランと合意形成
・分かりやすい資料提示によるスムーズな情報共有
※総合力 設計チームの特徴について
▽総合力を生かし、「デザインと技術の統合」した庁舎を実現
・デザインと技術の統合
・組織力と技術力を生かしたプロジェクトチーム
・防災・環境・コストを管理する全社的な社内支援体制
【課題に対する提案】
※建物デザイン 「これからの時代を担い、社会と県民の生活を守り続ける安心・安全の砦」 多様化し変化する社会で、様々な事件や災害から県民を守る初動対応力・機動力が発揮できる施設を提案
▽外観デザインのポイント
(1)悪と対峙する正面性を重視した建物配置
(2)「水平性」を強調した視認性の高い建物形状
(3)「左右対称」のシンプルで象徴的な形態
(4)「暖かみ」のある色彩の押出成形セメント板を用いたルーバー
◆  ◇  ◆  ◇
 審査講評によると、敷地の特徴や周辺の交通環境、近隣住民との関係を考慮しつつ、警察施設としての機能を損なわないように考慮された配置計画や交通機動隊、機動警ら隊の出動時の動線計画、警察施設としてのセキュリティに配慮した計画など、多くの点で高い評価が得られた。
 また、質疑応答における回答内容等について、他の提案者と比べて評価が高かった。ただし、車庫棟が事務室からの目が届きにくい点や諸室の配置計画についてなど、さらに詰めた検討が必要との意見があり、今後より良い施設となるよう県と協議の上、さらなる検討を求めた。
 警察機動センターの建設規模は、庁舎がRC造2階建て延べ約1700平方メートル、車庫棟がS造平屋建て約340平方メートル。場所が富山市下飯野地内で、県警機動隊に隣接する県運転教育センター第2駐車場の敷地1万4000平方メートル。外構を含む概算工事費は7億6900万円。21年度の着工、22年度末の完成を予定している。

hokuriku