東京都は、2024年度までに累計160橋の橋梁と26カ所のトンネルの維持・補修工事に取り組む方針だ。下水道管の再構築は、29年度までに都心4処理区の完了を目指す。政策企画局がまとめた「2020年に向けた実行プラン」の実施状況レビュー結果に基づいて、セーフシティへの取り組みに関連する事業の進捗をまとめた。
都は16年12月に策定した実行プランの推進に当たり、各年度の事業の進捗や成果を調査・把握し、その結果を次年度以降の政策展開につなげるとともに、都民ニーズの変化に的確に対応した政策のブラッシュアップに生かしている。
都市インフラの長寿命化・更新では、予防保全型管理を取り入れている。このうち橋梁は、19年度末までに累計97橋の補強・補修に着手しており、24年度までに累計160橋の着手を目指す。トンネルは、19年度に新たに1橋梁の補強・補修に着手。24年度までに26トンネル着手に向け、おおむね当初計画通りに進んでいる。
下水道管の再構築については、整備年代の古い都心4処理区(約1万6300f)を第1期再構築エリアとして枝線の再構築を進めている。19年度には新たに727fの整備が完了し、累計では9373f(約58%)が完了。29年度までに100%完了を目指す。
地域の防災性向上を図るための都市計画道路である特定整備路線の整備に関しては、25年度末までに28区間・延長約25`の整備を完了させる計画でいる。19年度末の用地進捗率は約50%となり、15区間で工事に着手した。権利者の移転先確保や生活再建支援などにも取り組みながら、引き続き用地交渉を進めていく。
地震に強い街づくりに向けて進めているセンター・コア・エリア内の都道無電柱化や特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化、重要施設へつながる配水管の耐震継手化については、ほぼ目標値に到達した。
このうち無電柱化は、都道全体では地中化率が42%にとどまっているため、環状7号線と第一次緊急輸送道路の無電柱化を重点的に進めたい考え。
この他、都営住宅の建て替えでは、昭和40年代以前に建設された住棟を対象に建て替えを進めている。19年度末には3289戸が完了し、17年度からの累計は6780戸となった。20年度は約3800戸を目標に掲げている。17〜20年度の累計で1万5200戸を目標としているものの、居住者の高齢化による移転折衝や、アスベスト関係の対応などで除却工事が長期化することもあり、工事着手の遅れが課題となっている。
提供:建通新聞社