大阪府は、木津川・安治川・尻無川の3大水門の全面改築事業で、水門デザインの検討を開始した。いずれの水門も現況のバイザーゲート式からローラーゲート式に変更することが決まっており、これらの条件を踏まえて周辺景観とマッチした水門デザインを目指す。
3大水門は、いずれも完成から50年近くが経過し、老朽化も進んでいることから計約360億円を投入して改築する。木津川水門については約10年、残りの2水門についても20年をめどに更新を完了させる考えだ。
改築事業は、木津川水門、安治川水門、尻無川水門の順で進めていく方針。現水門の機能を維持しながらの更新となるため、それぞれの水門の直上流に新水門を整備する計画。現在のところ、既存水門については新水門完成後に撤去する方針だ。
水門のデザインについては、▽形式は引き上げ式構造ローラーゲートの2門形式▽建設位置は現水門の直上流▽扉体材質はステンレスで塗装しない―を条件に検討を進める。3大水門のうち、安治川水門については唯一商業地域が近いことから、水門周辺に期待する姿や景観などについて、デザインコンペを実施することも検討している。
ただ、木津川水門についてはすでに詳細設計(パシフィックコンサルタンツ、納期は2021年2月24日)に着手しており、早急なデザイン検討が求められている。デザイン検討は府河川構造物等審議会三大水門景観検討部会(久保田喜明部会長=富山大学都市デザイン学系教授)に諮問して進めている。
提供:建通新聞社