任期満了に伴う小浜市長選で「次世代の小浜デザイン」を公約に掲げ、無投票で4選を果たし、先月5日から新任期がスタートした松崎晃治氏。県議時代から訴えてきた北陸新幹線「小浜・京都ルート」が実現し、大阪まで早期延伸への強い意欲をのぞかせる。「4期目は北陸新幹線敦賀開業が控える最も大切な時期。小浜を観光の目的地として来ていただける魅力研きに注力する」と語る松崎氏に抱負を聞いた。
市は昨年、北陸新幹線敦賀開業を見据え、具体的な戦略や施策を盛り込んだアクションプランを作成した。観光の要として、まちの駅・道の駅・海の駅・JR小浜線の「4駅連携エリア」、「体験観光エリア」、「日本遺産エリア」を設定し、食や日本遺産といった「小浜ならでは」の地域資源を研きあげ、エリア毎に相互連携させた体験型の周遊観光コンテンツの創造に取り組むとした。
23年度の観光交流人口の目標を、18年度比約15万人増の200万人以上としており、そのために敦賀からの2次交通を発達させ、JR小浜線をより便利にするという整備方針も示している。
小浜−京都開業も見据え、21年後半には、新幹線駅の具体的な場所・ルートが示される見通しの中で、「それから先の切れ目ない着工に向けて、初心に立ち返り全力を尽くす」と熱意を込める。
耐用年数が概ね60年とされる市文化会館(RC造4階建て延べ3059平方メートル)は築45年以上が経過しており、耐震診断でCランクに判定。また、設備老朽化により開催できない催しがあるため、施設に応じた使い方、安全対策など今後の対応を迫られていた。耐震補強計画の結果を踏まえ、現在地で改修もしくは移転新築の両面の検討がなされてきたことに関し、「基本は耐震改修を軸に考えている。費用対効果、財源も含めて引き続き検討していく」との方針を示す。
定住人口促進や若者の雇用機会創出に向け、15年度より構想している舞若小浜西インター近くの下加斗産業団地整備計画については、「地元関係者との協議を進めていたところ、進出したいという企業が出てきた。当初は市が造成や買収を行う予定だったが、直接やらせて欲しいとの声もあり、お任せすることに。申請などの準備段階で、地元にはまだ企業が入っていない状態」と現状を述べる。
完成すれば、市内中心の東西を結ぶことになる都市計画道路小浜縦貫線。当初19年度内の完成を目標に用地交渉を進めていた1期区間(白鬚〜広峰地係)の現状について尋ねると、「用地買収などすべて終了し、一部共同溝などの工事も進めている状況」で、来年度については「消雪設備や無電柱化を実施し、21年度末の完成を目指す」と語る。また、2期区間(広峰〜大手町地係)については、「着工開始時期はまだ言及できないが、1期と比較してスムーズに進んでいけるのではないかと思う」と展望を述べる。開通すれば、道の駅「若狭おばま」やまちの駅、同市役所や公立小浜病院など、重要拠点へのアクセスが容易となり、各施設への来館者増も期待される。小浜のみならず、嶺南一帯からの誘客強化を狙う構えだ。
まつざき・こうじ
鳴門教育大学大学院修士課程修了。県教職員を経て95年に県議に当選。県議議長などを歴任して08年に市長選に初当選した。座右の銘は「最大多数の最大幸福」。62歳。