東京都財務局は、石神井川上流に調節池を新設するため、基本設計の設計者特定に向けた標準型プロポーザル方式の手続きを開始した。「石神井川上流第一調節池(仮称)」として、トンネル式の地下調節池を築造する。9月4日まで参加表明書を、同月7〜25日に技術提案書の提出を受け付ける。提案内容を審査した上で受託者を特定し、11月19日に特命随意契約で業務を委託する。2021年9月までに成果をまとめる。
石神井川は、小平市内の小金井ゴルフ場付近から、都北部をほぼ一直線に東へ流れ、JR京浜東北線王子駅の東側で隅田川に合流する一級河川。流域面積は73・1平方`b、延長は25・2`。
目標整備水準を時間75_に引き上げたことにより、50_の護岸整備に加えて、調節池を組み合わせて対策を実施することになっている。
新設する調節池は、既設の南町調節池(西東京市南町1丁目)と、下流側(西東京市内、東伏見公園周辺)の2カ所から洪水を取水する。南町調節池から青梅街道、伏見通りなどの地下を経由し、都立武蔵野中央公園(武蔵野市八幡町2丁目地内)をトンネルで結ぶ。
地下調節池本管の規模は、トンネル内径約14・3b、延長約1・9`。連絡管は内径約5・8b、延長約0・2`。
南町調節池は掘込み式の構造となっており、平常時は柳沢児童広場として利用している。発進立坑はこの広場内に内径約32b、深さ約54・6bの規模で設置する。到達立坑は武蔵野中央公園内に整備する予定で、内径約29b、深さ約53・9bとする。連絡管の発進立坑は、内径約15・9b、深さ約42・8b。
プロポーザルでは、シールドと発進・到達立坑の施工方法や手順、工事中の南町調節池の機能確保策などをまとめる。全体の施工計画では、事業効果の早期発現を考慮し、一部区間の先行供用開始が実現可能かを考慮して施工優先度を決める。
提供:建通新聞社