建て替えが検討されている大津市役所庁舎別館(御陵町)に併設されている中消防署について、大津市は25日、これを同市皇子が丘3丁目に位置する「びわこ競艇場の駐車場」に移転する旨を明らかにした。対象となる駐車場は、面積1万2804・72平方bあり、そのなかの約2600平方bを約4億円で県から購入する予定。
また、25日に公表した9月補正予算案に用地測量委託料として680万円を計上している。
同市中消防署については、1月に就任した佐藤健司新市長が「移転・建替えの候補地を速やかに選出し、最優先事項として取り組む」と明らかにしており、今後は、耐震基準が満たしていない市役所庁舎別館についてもその動向が注目される。
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同市役所庁舎の建替え検討については、現地での建替え2案と、隣接する購入した国有地で建替え2案での計4案で検討されているが、今回、中消防署が移転する同市皇子が丘3丁目の「びわこ競艇場の駐車場」も候補地として浮上している。現在、公表されている4案については、@本館を免震改修(免震レトロフィット)し、別館を現地での建替え案と、A本館を免震改修し、別館を隣接する国有地で建替える案、B本館の免震改修を止めて、別館と一体化して別館跡地に新庁舎を建替える案、C本館の免震改修を止めて、別館と一体化して国有地に新庁舎を建替える案の計4案で比較検証している。
別館については、現地か隣接地で建て替え計画の場合、費用面等の問題から、本館を免震改修し、別館を購入した国有地で建て替える案が一番コストが安くなると見ており、新別館の規模は決まっていないが、現地建て替えの場合は最大延べ1万7500平方b、国有地での建て替えの場合は最大延べ1万4720平方b。本館は、建築後51年が経過していることから、耐震性の問題を始め、建物自体の経年劣化や狭隘化などの問題を抱えている。
今後のスケジュールとしては、今年度はコロナ対策・対応で遅れており、来年度から協議や検討が進められていく見通しで、基本計画の策定に着手する予定。建替えにあたっては、市有施設の面積と将来コストを15%削減するとの同市の方針と整合するため、他の市有施設の活用も視野に入れて検討を進める。他の市有施設を活用する場合の候補地の選定等も取り掛かっていく。
同市役所庁舎の本館(SRC造5階建地下1階、延1万5160・41平方b)は昭和42年竣工、別館(RC造3階建、延6251平方b)は昭和46年竣工。
なお、本館整備検討業務は、佐藤総合計画関西オフィス(大阪市中央区)が担当している。
提供:滋賀産業新聞