県土整備部は2020年度、大規模自然災害に備えた県版国土強靭化計画(地域計画)の2期計画を策定する。16年3月にまとめた現地域計画は今年度が最終年度。昨年の東日本台風など、この間に全国各地で発生した自然災害で得た知見を踏まえ各施策を見直す。
26日、計画に外部有識者の意見を反映させようと強靭化推進評価会議(座長・松見吉晴鳥取大学学長顧問)が開かれた。
2期計画では令和元年東日本台風を受けて県が設置した水防対策検討会での提言施策や、新型コロナウイルス対策を盛り込む。
「起きてはならない最悪の事態」(リスクシナリオ)の想定は、劣悪な避難生活の環境など2項目を追加して31項目とし、横断的分野も建設技能労働者の確保・育成をはじめ、ロボットやドローンといった新技術を活用してインフラの老朽化対策に取り組む。
評価会議のメンバーからは、コロナ対策が充実した避難所や消防団員の確保、空き家対策のほか、緊急物資のスムーズな輸送などを求める声が寄せられた。
また、松見座長は「行政の縦割りをなくし、計画に横串を刺せるようなシナリオにしなくてはならない」と指摘した。
今後のスケジュールは、年内にかけて計画素案を検討。年明けにパブリックコメントを実施して3月上旬までに策定する。計画期間は25年度までおおむね5年間。
一方、国は地域計画にある事業を21年度予算で重点化することにしており、同部は2期計画の事業内容や全体事業費、事業期間を記載した「事業リスト」もまとめる。
日刊建設工業新聞