京都市などを含む大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアムが国の「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」に係るスタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市に選定されたことを受け、京都府と京都市は、オール京都の協議会を9月にも開催する方向で一致した。
京都市中京区の京都市役所分庁舎で26日に開催した令和2年度懇談会において、京都市の門川大作市長が9月開催を呼びかけ、京都府の西脇隆俊知事が賛意を示した。
門川市長は「グローバル拠点都市に選ばれた。スタートアップは、極めて大事だが、資金調達が難しい。若い人が挑戦することが大事。市は創業10年未満のスタートアップ企業を対象に、社会課題の解決に挑戦する事業を募集した。応募枠35組のうち、177件の応募があった。withコロナでチャレンジしようとされるところもある。挑戦される方のシンポジウムもやっていきたい」「オール京都の協議会を9月にも開催したい。コロナ下での新たなキックオフとしたい」と呼びかけ。
西脇知事は「実務的に何をすべきかを検討したい。けいはんなにはネットワークがある。これも財産であり、活用したい。是非とも推進したい」と賛意を示した。
なお京都スタートアップ・エコシステム推進協議会の設立総会が昨年12月に市内で開かれた。
26日の懇談会では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止で連携強化を確認したほか、西脇知事は「京都市役所分庁舎には危機管理センターがある。京都府も危機管理センターの整備計画に着手した。府、市町村とネットワークを構築し安全安心につなげたい」「国道1号バイパス、国道9号ダブルルートなどは広域的な観点で考えなければいけない」と考えを述べた。門川市長、西脇知事はそれぞれ、コロナ関連で資金繰り、雇用対策で9月補正に予算措置を講じる考えを示した。
脱炭素社会の実現について、門川市長は「2050年に二酸化炭素排出量正味ゼロの実現、気温上昇は1・5℃までとする目標を明記した条例を府、市で一緒に出してはどうか。大規模建築物の再エネの中規模建築物への拡大、中小企業の排出削減に取り組む仕組みづくりについて、府市協調で取り組みたい」「地域気候変動適応センターは来年度には発足したい」と提案。西脇知事は「事実上の共同条例であり、方向としてはいい。二酸化炭素排出量の実質ゼロを宣言しており、条例に反映させたい。中小企業の話もあるが、十分踏まえ検討したい」「地域気候変動適応センターは令和3年度中に向け実務上の取組を進めたい」と述べた。
防災・減災とまちづくりについて、門川市長は「消防団、水防団など地域力が大事。台風の倒木処理などはスピードアップが必要。タイムライン、企業のBCP策定支援なども」、西脇知事は「ハード整備はお金と時間がかかる。ソフト事業との組み合わせが大事。京都全体のBCPという考えでやっている。危機管理センターも作るので連携したい」と述べた。