東京都建設局は、神田川と呑川で調節池の新設に向け、基礎調査にそれぞれ着手する。神田川では地下トンネル式を想定し、高戸橋〜駒塚橋に約30万9000立方bの調節池の設置を計画中。呑川では2カ所に整備する予定で、九品仏川合流点付近に約4万立方b、石川橋〜九品仏川合流点に約5万立方bの容量を確保したい考え。候補地となる用地を絞り込み、施設の形式と配置、基本構造などの概略を決める。
都は近年の豪雨の増加や、それに伴う水害の発生状況を踏まえ、目標整備水準をこれまでの時間最大50ミリ降雨から区部では時間最大75ミリ降雨に引き上げた。
目標整備水準の引き上げに伴い、約150万立方b分の調節池の整備を2030年度までに事業化することが決まっている。対象は▽石神井川▽野川▽目黒川▽仙川▽呑川▽境川▽神田川▽渋谷川・古川―の8河川。各河川で、調節池の設置候補地の選定を順次進めている。
神田川(河川延長24・6`、流域面積105平方`b)では、環状七号線地下調節池に続き、同調節池と白子川調節池を連絡する環状七号線地下広域調節池の建設工事を実施している。この事業に加え、治水能力を高めるため、高戸橋(新宿区西早稲田3丁目)〜駒塚橋(文京区目白台1丁目)間に、容量約30万9000立方bの調節池を新設する。
呑川の流域は世田谷・目黒・大田区の3区にまたがり、支川を含めた河川延長は約17`、流域面積は約17・7平方`b。九品仏川合流点付近に容量約4万立方b、石川橋〜九品仏川合流点間に約5万立方b、2カ所・計約9万立方bの規模で調節池を配置する。
基礎調査に着手するに当たっては、神田川と呑川について、それぞれの河川ごとに希望制指名競争入札手続きを進めている。9月23日に開札して委託先を決める。
委託業務では、候補地を精査するため、施設周辺の土地利用状況、維持管理や施工性、周辺環境への影響、関係法令などを考慮し、立坑箇所ごとの主要な維持管理施設配置について概略を作成。事業の全体の概略工程と各工種別・施工箇所別の概略工程や施工範囲についても検討し、21年3月末までに成果をまとめる。
提供:建通新聞社